収容、研究セクションにて
8話 Encounter with assistant. A deepening mystery.
「なんであなたがここにいるわけ?任務は?ハルは?」
「落ち着いてくださいよ。管理局の緊急事態となれば任務なんてすっぽかしますよ」
「なんか怪しいわね。あなた、本当に助手?」
「なんでそんな疑うんですか?!」
このタイミングで助手が出てくる、そしてこちらを尾行していたというのも不自然だ。怪しむ他無い。
「自分のことについて言ってみて」
「えー、カワベヒロシ、25歳で趣味はサバゲーです」
「あなた、カワベっていうのね」
本名を初めて聞いた。どうやらありきたりの青年という感じのようだ。
「サイトウ博士、あなたはこの助手のことどう思う?」
「なぜそこまで疑う?ただのカワベ君だ」
「そうね……じゃあ」
私は煙草に火をつけると、それを助手に向かって投げつけた。助手は床に落ちた煙草を一瞥したが、何もしなかった。
私は相棒を構えた。
「ちょ、なんですか博士?!」
私は発砲した。だが助手は俊敏な動きで回避した。
「やっぱりあなたは偽物。煙草を消さなかったし、こんな動きができるはず無いのに……。サイトウ博士は隠れててください」
助手はこちらに近づいてくると、腰からナイフを取り出した。斬られる。
私は体を横向きにして助手の方へ手を伸ばし、ナイフを持つ手首を押さえた。だが、反対の手でパンチを繰り出そうとしている。
左足で胴に蹴りを入れるが、怯まずにパンチを繰り出してきたため、顔面に命中した。
「うっ」
お互いに声を上げた。助手が後退りした。
その時、助手の体は溶け、代わりに屈強な男の姿になった。
「騙すためあの弱っちい男だったがぁ、このさっき殺した屈強な男だぁ」
おどろおどろしいような声で男が言った。
男は足払いを行ってきた。ジャンプで避けながら、相棒を構えた。
「させるかよ」
男が相棒めがけて回し蹴りを叩き込んできた。
「それこそが命取りよ」
私はその足めがけて発砲した。
「ぐぁっ」
男は叫んだ。その怯んだ隙に頭にも弾を叩き込む。すると、頭や足から茶色っぽい液体が吹き出した。これは変身ボールの通称で呼ばれるNだ。
サイトウ博士が声をかけてきた。
「ミズノ博士、やるじゃないか」
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