4話 Don't let them realize the sniper. My experience.

「耐えるってどうするんですか?」

「避ける、切る」

「そんな適当な!」

 どんどんものは飛んでくる。それが机であれ、椅子であれ、煙草であれ。横に飛べば大抵は避けることができる。

 だが、避けきれないものもある。しかし、ここで銃を発砲すれば、守秘義務は破られてしまう。だから被害を最小限にとどめながら受けないといけない。

 そんなとき、床から溶けるときの逆再生のようにして、女性が出てきた。

「あなた達に守秘義務があることは、仲間から聞いた。だから市街地におびき寄せた。全員の記憶消去なんてこと、そう安々とできないものね」

 仲間から、ということは、管理局内に協力者……裏切り者がいるということか。そんなかと……。

 今はそんなことどうでもいい。スマホが振動したのだから。

「守秘義務があることは重々承知。でも、時間をかければ関係なくなる。

 あなたは初見よね。この銃は私。サイレンサーを付けることも容易い」

 数秒間かけて、銃にサイレンサーを出現させた。サイレンサーは銃声を抑えるアタッチメントだ。

 最初からこうしていたら、あそこにはもう、弾を撃てなかったかもしれない。

 私はリビングの窓に向けて発砲した。窓には大きなヒビが入った。

「窓を打ったから何?脱出は不可能よ?」

 その時、パスッという空気の抜けたような音とともに、銃弾が窓と女性を突き抜けた。

 助手の狙撃だった。彼はNに特攻を持つ、特殊な銃弾を利用したスナイパーだ。

「ハル。今よ、とどめを刺して」

「どうやって?」

「どんな生物でも頭が弱点。これは常識よ」

 ハルはダッシュで女性に近づくと、薙刀で頭を刺した。そして、刃を天へ突き上げた。

「これにて仕事は終了。この建物は撤去される。ハル、助手に電話しといて。帰るわよ」

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