2話 Newcomers use naginata. True ability of the doctor.

 ハルは薙刀で突きを繰り出した。パセリは瞬間移動で交わす。

 ハルはまだ知らない。教えていないから。あのパセリには、もう一つの能力がある。「破壊」だ。触れたものが破壊される。能力を手にした過程で自我も持っているので、自己防衛を行う。

 パセリはハルの後ろに瞬間移動した。ハルは気づいて、薙刀の後部で突いた。

 その時、ほんの少し、薙刀が破壊された。崩れた、というのかもしれない。とにかく壊れた。どうするのか見ものだ。

「くっ……」

 ハルは声を上げた。そのまま薙刀を振り回した。壁や天井に当たり、金属が不快な音を鳴らす。だが、パセリにはかすりもしない。

 次にパセリが瞬間移動した瞬間、その先に向けてハルは薙刀を投げつけた。パセリの側面をかすった。その瞬間から、パセリは「キレた」。

 瞬間移動のスピードが上昇し、破壊能力も上がった。薙刀が少しずつけづられていく。

 その状況が続いた頃、ハルは天井を突いた。すると、天井が崩れた。私は思わず、感嘆の声を漏らした。

 ハルはきっと気づいていた。瞬間移動にはほんの一瞬、硬直する時間があるということに。

「はあ……。博士、やりましたよ。これでいいですよね。パセリは潰れました」

「後ろを見て」

 ハルは後ろを向くと、驚いた顔をした。

 そこには、パセリが浮いていた。


「あなたはここで死ぬかもしれない。だから助ける。私が」

 そう言って、私は銃を構えた。

「ここには、『適応者』と『能力者』だけがこれる。私は後者」

 ハルは驚きか、声も出ていない。だが、それでもいい。

「私が持っている能力は『一心同体』。私は今、この銃と心を通わせている」

 そう私が言った時、銃は変貌を始めていた。拳銃の形から、徐々にショットガンの形に。

「この銃は『私』」

 そう言いながら、私は発砲した。パセリはショットガンを瞬間移動で避けようとしたが、弾幕によって、撃ち落とされた。

「これにて第一回の研修は終了よ」

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