エピローグ 『デロデロに溶ける甘い時間』
「おじゃましまーす」
「はい、どうぞー」
一緒に部屋に入る家主の梨沙が返事する。
俺は今日、梨沙の部屋の荷物の回収を手伝いに来たのだ。
梨沙の部屋は元カレと住んでいただけあって、俺の部屋より少し広くて、端々に元カレがここに住んでいたと言う形跡が残っている。
それは別に未練があって残していたわけではなく、梨沙が人のものを処分する事に抵抗があり、どうしたらいいのか困っていたと言う事らしい。
この部屋で元カレと生活していたのか……そう思うと、俺の中にむくむくと嫉妬心が湧き上がってきていた。
「泰樹? どしたの?」
部屋を眺めて立ち止まっていた俺を不思議に思った梨沙が声を掛けてきた。
「ん、いや、ここで元カレと過ごしてたんだーと思うと、ちょっと……嫉妬した」
そんな俺の言葉に、梨沙は俺に抱きついてきた。
「……私さ? 元カレがはじめての彼氏だったから、その時はこんなに人を好きになる事ないって思ってたけど……今は、すでに元カレと比べ物にならないくらい泰樹のことが好き」
「……なんで」
「んー、あの時は気付かなかったけど、元カレが私に優しかったのって、私を口説くためとか、私を喜ばせるため……だったんだよね。でもさ、それって最初だけじゃん。泰樹は……私の方から好きになったから。そこが全然違う。泰樹は、もともとの性格が優しいじゃん」
「……梨沙、もしかして俺のこと、めっちゃ好き?」
「え……そりゃ、まぁ、めちゃめちゃにしてもいいよって、言っちゃうくらいには……大好き」
梨沙は恥ずかしそうに赤い顔を半分俺の服に埋めながら上目遣いで言ってきた。
「自暴自棄だったとか、言ってなかったっけ」
「……それもあるけど……でもやっぱり、泰樹だからだよ? 私の全部、あげたくなっちゃったんだ」
「またそういうこと言うー。……襲うぞ?」
梨沙の部屋に残る男の影を見て、嫉妬心が爆発しそうになっている俺の心に梨沙は火をつけた。なのに、
「え? いいよー? 泰樹になら、何されてもいい。私の全部あげる。……むしろ、元カレにされたことない事も、いっぱいされたい。私のはじめてな事も全部……あげたい」
さらに梨沙は煽るような事を言ってきた。
「そんなこと言って……俺に何されるか分かんないじゃん?」
「だって、泰樹は本当に私がいやがることはしないじゃん。信用してるからだよ」
「じゃあ、俺がとんでもない変態だったらどうすんの」
「えー? それは楽しみだなあ? もっと泰樹の事知れるって事だもんね。……他の人に出来ないようなこと、私にして?」
「……全く。とんだドMだ」
「へへー。否定しない。……がっかりした?」
「まさか」
——嫉妬心と梨沙の言葉に堪らなくなった俺は、そのまま梨沙とヤった。梨沙が、元カレと過ごしていた部屋で、元カレとしてたベッドで。
それが余計に俺の嫉妬心を煽って、その行為は止まらなくて。なのに梨沙は
「泰樹、好き。……大好き。……きもちぃ……もっと、……して」
梨沙の声や反応だけでも充分過ぎるのに、言葉でもどんどん俺を昂らせるから……もう、止まらなくて。
「……梨沙、立てなくなるくらいまでしてもいい?」
そんな事を言ったのに
「……意識飛ぶくらいしていいよ」
また、俺を煽るから。
荷物の回収なんてそっちのけで、二人でデロデロに溶けるくらい熱い時間を過ごした。
その後、ベッドの中で梨沙を抱きしめて撫でながら……
「俺、梨沙にアプローチしなくてよかったわ。もしも俺が自分に自信があって、梨沙にアプローチしてたら、梨沙は俺に惚れてくれなかったんだもんな」
ふと、そんな事を言った。そしたら梨沙は
「……でも、私……もしも泰樹にアプローチされたら、舞い上がってたかも」
そんな事を言うから。
「え、話違くない?」
そう言うと。
「……えー? 話してた事にウソはないよ? ただ、もともと、泰樹の顔とか声とか、手とか……私のタイプだったので」
梨沙は照れながら言うので
「……やっぱりめっちゃ好きじゃん、俺のこと」
そう言うと。
「うん。自分でも信じられないくらい好き。……だからさ、このまま付き合ってて私のこと気に入ったら……いつか私の人生ごと、全部もらって?」
そんなこと言うから。
「……ばーか。すでにそのつもりだよ」
そう言って梨沙の頭を撫でようとした俺に、
「んー!! もう、めっちゃ好き! 大好き!!」
梨沙は抱きついて俺の胸に頬擦りをして、デロデロに甘えてきた。
——ここまでが、清楚系美人な先輩が、突然看病に来て至れり尽くせり甘やかせてヤらせてくれた後、今度は俺にデロデロに甘える可愛い彼女になった話。
そしてこれから先は——
外では清楚系美人なお姉さん風の先輩が、家の中では俺にだけ尽くしてデロデロに甘えるえっちで可愛い嫁になる話。
まだまだ、……俺と梨沙の話は続くのだ。
———————————————————————
最後まで読んでくださりありがとうございました!!
少しでも面白いと思っていただけたら★やフォローなどいただけると
大変励みになります!!特にレビューコメント嬉しいです!!
他の作品もよろしくね(・ω・)ノ
コレクションにおススメ順でまとめています
【新作】美人なお姉さんに、日給2万でそばにいてと依頼された件~俺で癒されてるお姉さんに俺の方が癒されてるんだが?~
https://kakuyomu.jp/works/16818093082459169005
【カクヨムWeb小説短編賞 週間総合最高1位】
学園1絶対的アイドルの幼馴染みが、アイドルオタクの俺の部屋で突然寝てたんだけど。今、告られた気がするのは気のせいですか。
https://kakuyomu.jp/works/16817330667079760958
空豆 空(そらまめ くう)
【完結】清楚系美人な先輩が、突然看病に来て至れり尽くせり甘やかせてヤらせてくれた後、今度は俺にデロデロに甘える可愛い彼女になった話(R15) 空豆 空(そらまめくう) @soramamekuu0711
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます