第13話解答編
……トロイノイがホテルのベッドに座って、私の罪状を、私の罪状をまとめたノートを読んでいる。
……ゾクゾクする。……
今すぐ下を脱いでしまいたい……いや、ダメだ、トロイノイが真面目に読んでくれてるのに、「勃った。――て」は、自分でも変態だと思う……!
素数、素数を数えておじづ……落ち着こう。
二ぃ三五ぉ七ぁ、十一、十三……十七、十九、二十三……
「ねえ――」
「ふぃい! ……な、なんでしょうかトロイノイ。まだノートが途中の様ですけど」
「え? あ、ほんとだ。ごめん、ちゃんと読み終えたらまた呼ぶわ」
はあ、はあ……。ああ、勃起が本格的になってきた……。
トロイノイ……、……ふう、ふう……。
ある意味、私の恥部ないし痴部を眺めているトロイノイ……。
もっと見て……今の私のち部も見てぇ……ああ、はあ……。
「……少し、席を外しても? すぐ戻るので」
努めて冷静にトロイノイにそう提案すると、トロイノイは私を見て「ん、いってらっしゃい」と送り出してくれた。
トイレのドアに鍵をかけ、フタと便座をまとめて上げて、ズボン……と解放されたさから下着も下ろす。
……欲情というより、純粋な排泄したさの勃起だった。
そんなわけでさっさとトイレから出て、トロイノイの進捗を確認すると、まだ読み終わっていないようだった。
……ノートの過半数は埋まりましたからね。
ベッドに乗ってトロイノイを抱きしめると読む邪魔になりそうなので、トイレに行く前にいた位置に座り、自分の膝周りを抱きしめ、いわゆる体育座りあるいは三角座りでトロイノイを待つ私。
……ヴィーシニャさんゾーンに入った。
……ウリッツァやヴィーシニャさんのことで新たについたカウンセラーさんが、ウリッツァやヴィーシニャさんを見て思うことを毎日かく――文でも絵でもいいと言われたので、ひらがな表記です――ように言われて、ヴィーシニャさんをテーマにかいた物達の……全てをあそこに記した。
……ヴィーシニャさんに乱暴したことについて反省してますかと問われて、M字に開かれた下半身の淫部から白いものがあふれ出てるのを見せつけて嬉しそうに「マギヤのせーえき、しゅき(ハートマーク)」とか言わせてるヴィーシニャさんの絵を出されたら、出した奴は絶対反省してないなと思うし、もっと言えばそいつの正気すら疑うでしょう?
まあ、実際その絵に言わせたのは「マギヤでいっぱい……(ハートマーク)しゅごい……(ハートマーク)」なんですが、どっちみち反省度ゼロそうですね。
……自分で見せといて何言ってんだと思うでしょうが、トロイノイは正気を保ててるでしょうか。
そう心配していると、トロイノイが手に持ってるノートを震わせながら「……マギヤ。絵とかの横の正の字とかって、なんの数?」と聞いてきた。
正直にその作品で自慰行為した数と答えると、トロイノイはノートを持ったままベッドに倒れた。
倒れたトロイノイにかけよって「大丈夫ですかトロイノイ」などと肩を軽く叩きながら呼びかけてみるが、反応がない。
瞳孔や首の脈拍や呼吸音に問題ないところを見るに、失神してしまったようです。
トロイノイの胸元のノートを抜き取り、どこまで読んだか確認する。
次のページは空白、あとも空白。最後のページのこのノートのまとめ順を考えててのメモ以外は全部読んでくれてました。
ノートをきれいに閉じて自分の鞄にしまう。
アラームと一応起こしてもらうコールの設定をし、トロイノイをちゃんとベッドに寝かせ、私もベッドに入り、かけ布団をかける。
……トロイノイのまぶたも閉じさせておこう。……うん、可愛い。
目を開けたまま眠ってるって、こう……不安になりますから。
トロイノイの眉間におやすみのキスをして、トロイノイを抱き寄せて眠る。
――おはようございます、といっても朝ではないのですが。
アラームやコールよりも早く起きた私は、アラームだけ止めてトロイノイを起こす。
「トロぉイノイ、起ーきて。起きないとぉ、襲っちゃいますよー? ……半分本気でーすよ?」
……かけ布団を取っても起きないようなので、ちょっといたずらしよう。
トロイノイのゆるく閉じてる脚を少しだけ開く、起きない。
私から見て右の脚を軽くあげ膝を曲げさせる、起きない。
反対の足も同じように曲げさせ、私の体がトロイノイの脚の間に入るぐらいに広げる、全然起きない。
トロイノイの控えめな胸に、私の頭を乗せる、起きない。
……心音呼吸音ともに問題なし。
トロイノイの眠る頬辺りにキスをする……寝たふりでもしてます?
「トロイノイ……起きてるなら返事して? それとも、寝たまま襲ってほしい? 襲ってほしいなら一回、嫌なら二回声出して?」
……トロイノイが「んー」と声を出す。……へー、襲ってほしいと?
いや、返事してへの返事の可能性もあるので、私は自分の体を起こしてトロイノイに、こう聞いてみる。
「もう一度聞きますね、襲ってほしいなら一回、嫌なら二回んー、と言ってください。その回数を貴方の返事と受け取ります」
「んーんー! やめんかこら!」
やめんかこらの勢いで目を開けたトロイノイに「おはようございますトロイノイ」と、トロイノイが生きている祝福の挨拶を送り……時を止めないで、挨拶のときの笑顔でいる。
自分の状況を理解したトロイノイが私をこう責める。
「マギヤ……あんたの辞書に悔い改めるって文字、無いの?」
「ちゃんとダメと確認し、したことをごまかさず貴方の前にいられるのは、進歩だと愚考しますが」
「……あたしが無反応とか、質問ちゃんと聞こえてないとかで、返事一回だったらやる気だった?」
「無反応なら脈拍などを確認しますけど、返事一回だった場合は…………」
やってる自分が目に浮かび、また勃ちそうになったので「気を付けます」と答えた。
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