二の二

男「貴様ら、俺の部屋に何しに来た?」


然「あなたが、ここのゾディアックですか?」


然は、その男に尋ねた。


男「あぁ、そうだ。俺がこの白羊厩のゾディアック、シープ様だ!」


闘「羊だからシープか。単純だな。しかし、おめぇそこで何してんだ?洗濯でもしてたのか?」


シープは、畳んでいた洗濯物をきちんと揃えて積んだ後こう言った。


シープ「貴様らもやるんだよ」


闘「はぁ?」


然「どういう意味ですか?」


闘たちは、シープに尋ねた。


シープ「お前らこの部屋の先に行くつもりなんだろ!だったらお前らもやるんだよ。ここでの勝負は、洗濯勝負だ。どっちが早く洗濯して、干して、畳めるかだ。さぁ、どうする?勝負するか?」


闘「はぁ?洗濯勝負だぁ?バカらしい。そんな事できるか!?」


シープ「お前はどうする?」


然「私が、この勝負引き受けましょう」


闘「本気かよ、然」


然「それで、どうすればいいんですか?」


シープ「まず、この部屋の床をそこのタオルを何枚使ってもいいから、俺は左半分、お前は右半分をきれいに拭く。そして、それらを俺は左の、お前は右の洗濯機を使って洗う。そして洗った後、干して乾かした後、丁寧に畳む。これが早く出来た方が勝ちだ。但し、俺はお前らが来る前にだいぶ拭いちまったがな…ハハハ…」


闘たちが何かを言う前に、シープは、更に話を続けた。


シープ「特別に良い事を教えてやろう。実は右の洗濯機は注水や排水は出来るが動かない。それをお前たちの武術を使って(つまり、水面に波を起こして洗うとか)も反則とはしない事にする。それは乾燥に関しても同様だ。但し、乾燥機はお前らの分はないぞ。外に物干し台はあるがな。果たして外に干してて俺に勝てるかな?用意がいいなら始めるぞ…ドン!」


然「あっ」


闘「ズルいぞ、貴様!」


シープ「特別に、床拭きは二人でもいいぞ!」


然「闘、悪いけど拭くのを手伝ってくれない?」


闘「あぁ、いいよ。しっかし、アイツ、俺たちが来る前からだいぶ拭いてたんだろ。明らかにズルいだろ!」


然「とにかく、早く拭きましょう!!!」


闘「おぅ!」


30分後


シープ「俺はもう拭き終わったぞ。こいつらを洗濯してしまえばほぼ終わりだ!」


しかし、10分後


然「ありがとう、闘!」


闘「こっちも何とか終わったぜ!」


シープ「バカな、そんなに早く終わるはずは…。」


ピーピー…


シープの洗濯機の音が鳴った。


シープ「こっちはもう洗濯も終わりだ。後は干して畳むだけだ。お前たちは負ける!!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る