第3話

――――――昨夜――――――


※AM 12:36



************



「クヒヒ」



液晶画面に映し出された、病院内であろう診察室らしき場所。



其所にはビデオカメラで撮影されたと思わしき若い女性が、白い診察台に横たわっていた。



眠っているのか、女性はピクリとも動かず眼を閉じている。恐らく薬で強制的に眠らされているのだろう。



『では私ので診察しますからねぇ。すぐに良くなりますよぉ』



映像からは笑いを堪えているかの様な、掠れたダミ声の音声が届く。



カメラはその非道な行為の一部始終を捉えていた。



「いやぁ、堪りませんね」



液晶に映し出された映像を見ながら、肥満気味の中年男性が恍惚の吐息を漏らす。



この手の職業に多いのか定かでは無いが、例に洩れず毛髪が極めて薄い。



「また一つ、良いコレクションが加わりました」



その言葉から察するに、この非人道な行為は日常的な事らしい。



「勝手に金が入るうえ、選り取り見取り遊べるのですから……」




見てくれだけは豪華だが趣味の悪そうな、室内灯を落とした薄暗い応接間らしき室内には、彼の浅ましい姿と生理的に不快な音だけが、その空間を支配していた。



「病院経営最高ぉっ!!」



診察という名を借りた性的暴行。最も卑劣な行為。



男は歓喜の叫びと共に酔いしれている。

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