第3話
――――――昨夜――――――
※AM 12:36
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「クヒヒ」
液晶画面に映し出された、病院内であろう診察室らしき場所。
其所にはビデオカメラで撮影されたと思わしき若い女性が、白い診察台に横たわっていた。
眠っているのか、女性はピクリとも動かず眼を閉じている。恐らく薬で強制的に眠らされているのだろう。
『では私ので診察しますからねぇ。すぐに良くなりますよぉ』
映像からは笑いを堪えているかの様な、掠れたダミ声の音声が届く。
カメラはその非道な行為の一部始終を捉えていた。
「いやぁ、堪りませんね」
液晶に映し出された映像を見ながら、肥満気味の中年男性が恍惚の吐息を漏らす。
この手の職業に多いのか定かでは無いが、例に洩れず毛髪が極めて薄い。
「また一つ、良いコレクションが加わりました」
その言葉から察するに、この非人道な行為は日常的な事らしい。
「勝手に金が入るうえ、選り取り見取り遊べるのですから……」
見てくれだけは豪華だが趣味の悪そうな、室内灯を落とした薄暗い応接間らしき室内には、彼の浅ましい姿と生理的に不快な音だけが、その空間を支配していた。
「病院経営最高ぉっ!!」
診察という名を借りた性的暴行。最も卑劣な行為。
男は歓喜の叫びと共に酔いしれている。
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