第2話
※それでは次のニュースです。
昨夜(未明)、世田谷区在住の高瀬重造氏(48)が自宅内で倒れているのを、○○が発見し、病院へ通報。緊急に病院へ搬送されたが、まもなく死亡が確認された。
診断の結果、死亡原因は心筋梗塞であることが判明。
また、高瀬氏は世田谷区内で病院を経営しており、遺体が発見された自宅は病院と住居を兼ねている。
また、同、施設には~
※
液晶に映し出された無機質な表情の女性アナウンサーが、毎日星の数程起こる、その他大勢の死亡事項の一つを淡々と述べていく。どうでもいいのか表情を顔に出さない訓練を受けているのか、その作り物みたいな表情は、まるで機械的なアンドロイドだ。
ただ今回は普通の死亡二ュースでは無い。液晶画面の右下には“病院の闇?”とのテロップが張ってある。
無機質な女性アナウンサーは更に続けていく。棒読み台本口調で。
※尚高瀬氏は倒れる事前に、自病院で女性へ猥褻な行為を録画したDVDを鑑賞していた形跡が有り、家宅捜索でその他、数百本にも及ぶDVDが発見された事が明らかになりました。
警察ではこの病院との余罪を追求していく方針です。続きまして――
“ブチ”
殺風景な白い部屋内の、テーブルの向かいに置かれた、薄型25インチ液晶テレビの電源が意図的に落とされた。
「終わりだな、この病院も」
消えた液晶画面を尻目に、事の顛末を見届けたジュウベエは、この病院が終焉に向かう事を確信する。
叩けば埃はいくらでも出るだろう。少なくともこれ以上、此所から闇に紛れ消された被害が出る事は――もう無い。
ターゲットの消去のみならず、“世間への認知”の目論見は見事に達成という訳だ。
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