第4羽 ありがとう! お店に付いていくね??
こむぎちゃんの可愛さに私は一目惚れ。私が撫でていると、こむぎちゃんは何だか物欲しそうな顔をしてる。どうしたのかなぁ??
「ねぇ、チモシーは??」
チモシー? ......あっ! こむぎちゃんお腹が空いてるんだっけ!? 忘れてたよぉ!! そういえば、隣町にウサギのお店があった気がする。えっと、『ウサギのお尻』だっけ?? とにかく、それっぽいお店に行ってみよう!!
「ありがとう! お店に付いて行くね??」
こむぎちゃんもお店が気になるみたい。こむぎちゃんと初めてのお散歩......いや、
何だかんだで、私はこむぎちゃんと隣町までやってきた。えーっと、確かお店は駅前にあった気がするけど......『ウサギのお尻』はどこかなぁ??
私がキョロキョロしていると、こむぎちゃんは猛ダッシュである建物へ向かった。
「わーーーあぁぁぁっっっ!!!」
こむぎちゃんの目が血走っている。これまでにない本気を見ている気がして怖い。てか、こむぎちゃん速過ぎるよぉっっっ!!!
こむぎちゃんの入った建物は小さなビルの一角に構えた小さなお店。看板には『ウサギの耳』という可愛らしいロゴデザインが書かれている。あぁ! このお店だっ!! 私もこむぎちゃんを追いかけるようにお店に入って行った。
「あらぁ、いらっしゃい! もしかして、あのウサちゃんの飼い主さんかしらぁ??」
店内はウサギグッズで埋め尽くされていて、もちろんウサギさんも販売されている。そんな私を出迎えてくれたのは、ショートカットの髪型の若い女の人。名札には『店長・古賀』って書かれている。きっと、この人がお店の偉い人なんだね?
「あの子、
店長さんはこむぎちゃんにベタ惚れ。古賀さん、きっと心の底からウサギが大好きなんだね? てか、こむぎちゃんはネザーランドドワーフって種類なんだ!?
「ネザーランドドワーフはね、オランダ生まれのウサギさんで野性的なところが魅力的なのぉっ!!! けど、目黒なドワーフホトもキュートだしぃ、ホーランドロップの垂れ耳も何とも言えず可愛くて――」
店長さんのテンションが上がりすぎてマシンガントークが止まらない。待って!? 古賀さんの話がマニアックすぎて付いていけない!!!
「このチモシー、とっても美味しい!!」
店長さんの目は盲目になっている。気付いて! こむぎちゃんが商品をつまみ食いしてるよ!!?
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