第7話 ヒロイン達の近況
あれから1年ほど経過したんだけど、ヒロイン達はどうなっているかな?この世界の設定に守られているから、まあ、そんなに心配はいらないけどね。
え~と、あれ?ロレンツィオ君、こんなところに、兵士達を率いて…。あれれ、あそこを駆けているのは、勇者様とハイエルフ聖騎士様じゃないの?
ロレンツィオ君は、手紙に夢中だね。大きなため息をついて、どうしたのかな?
「ロレンツィオ君。その手紙は、何って書いてあるんだい?」
「ああ、神様、最高神様ですか?いつの間に?まあ、見て下さい。しっかりと同じパターンですね。」
内容は、3人のヒロインの行方が分からなくなった、というものだった。3人というのは、悪役令嬢オルシーナ、ざまあされる本来のヒロインのイッポリート、そして、聖女トルナだ。差出人は、在ペネツア共和国トスカーナ大使、ローラン知事、カッシニア知事である。彼女達の行動、行き先は僕からロレンツィオは聞いていたからね、彼らに捜索、見守りを命じてもいたんだ。それぞれ、海賊の襲撃、野盗団の襲撃、謎の一団の襲撃後、3人の行方を見失ったと言うんだ。ま、この後の行き先は分かっているから、心配する必要はないけどね。え、そこじゃない?
「瀕死の彼女の従者の男を、確保、保護?」
彼女達は、みんな1人ではなく、自分付きの執事又は従者、侍女、1人づつ連れて出たんだよね。このイベントの後、出てこないと思ったら、こんなことになっていたんだ。本来は、ここで死んでいたんだ、なるほどね~。侍女達はどうしているのかな?え~と、可哀想に、陵辱されて、奴隷に叩き売られているよ。彼女達も、しばらくして死んでいたんだろうね。おお、手紙には、どの手紙にも彼女達の行方も捜しているって書いてあるね。見つかるといいね。
オルシーナは、ペネツア共和国に逃れて、事前の計画どおりケーキ屋を始めたんだよね。いわゆる現代のケーキを、神業で作って、店はたちまち大繁盛、色々とチート過ぎるんだけど、まあ許さざるを得ないんだ。それに加えて、海運業もはじめて、現代知識を使って、やっぱり大成功。そのケーキ屋に足繁く通っていたジハード教徒の若き大海賊さん、浅黒い肌の逞しいイケメンさん。彼の甘いマスクと巧みな会話でオルシーナちゃんはメロメロ。その彼が、町を襲撃したんだけど、彼女は知るよしもない。襲撃目的は、色々あるんだけど、必ずしも彼女が目的ではないんだ。でも、ついでに、助ける振りをして、彼女を自分のものにしたんだよ。邪魔な執事君と侍女ちゃんとは引き離し、執事君は数人がかりでボコボコにして、運河に放り込んだんだ。執事君の名を叫び、
「お嬢様!」
と叫ぶ侍女ちゃんは、何人もの男にレイプされて奴隷に叩き売られたんだよ。2人とも可哀想にね。
「2人とも、君を捨てて、トスカーナ王国行きの船に乗ったそうだよ。」
と言われて、築き上げたものを全て失って気落ちしているのはわかるけど、すんなり信じて、全ての元凶の男の肩に頭をのせて寄りそっているんじゃない、オルシーナちゃん!あ、そのまま寝室に…、まだ陽が高いのに…、いくらなんでもー、しかたがないか、そういう設定なんだから。あ~あ、その彼の下で、
「正義の海賊令嬢になる。」
なんて、言い含められちゃって。正義の海賊なんか、存在しないんだよ。
イッポリートちゃん。こちらは、ハンバーガーとかをだす食堂と冒険者と錬金術で大成功したのに、食堂と工房は焼け落ちて、やっぱり執事君と侍女ちゃんに裏切られたと思って、イケメン獣人モフモフ尻尾の族長さんに助けられて、あーこれまたベッドインの最中ですか?町を灰じんに帰して、あんたの執事君と侍女ちゃんを…はこいつだとは知らないからといって、どうして簡単に信じるんだろう?こいつ見た目と本体が少し違ってて…それにさ、平和主義者でも博愛主義者でもないんだよ、どちらかというと略奪者…まあ、いいか、しかたがないか…。
聖女トルナ様。薬屋とお惣菜店、そして聖女の癒しの…で店は大繁盛…その最中…。襲撃者は魔族なんだよ。知ってる?それに、このイケメン魔王様の見た目も…。悪いのはトスカーナ王国?魔王さんの言い分を一方的に進じちゃダメだよ~。まあ、全く嘘と言うわけではないけどね、事実ではないよ。まあ、わからないだろうね。ああ、すっかり魔王さんに言いくるめるられちゃってー、ベッドインまで、あと僅かってーわけ?。
小柄で可愛いオルシーナちゃんが仰け反って、巨乳じゃないけど大きな乳房を揺らしてイッポリートちゃんは上になって、長身で一見スリムだけど、本当は着痩せした結果の見事なプロポーションのトレナちゃんが涎を流して、喜んでいる映像…あれ?ロレンツィオ君、もう、喜んで見ていない?全く、君って変態じゃないか?まあ、断ったのに見せたのは僕だけどね。
「ロレンツィオ君。侍女ちゃん達のいる場所だけどね…。」
と教えてはあげた。可哀想だもんね。6人とも、お嬢さん、主様思
いなんだから。はい、ちゃんと書記官に、そのことを、可能性があるから至急捜査して、見つかれば即保護するようにと言ってくれたね、良い子だね。あちらは、王太子様が、よくここまで知っていると唸るはず、君の評価もさらに上がるんだからね、僕にまた感謝してね。あっと、本題だけど、どうしてここにいるんだい?
え?海賊にとらわれた美女達、イスタンブル帝国皇帝のハーレムの一行を救出するため?勇者ちゃんもハイエルフ騎士ちゃんも、そのために?
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