第???話 不明の天使

《天界》

下界から遥か別の――…異次元に存在する「その場所」には、多くの「天使」が舞いわたる。


最高神ゼウスの名のもとに集う「五体の大天使」によって、その平和は守られているのだ。


「……ゲホゲホッ、相変わらず埃すごいな天書庫ここ…おーーいッ「魔樹ザド」、私が遊びに来たぞーーッ‼」


書庫内に散らばる無数の本を足で払いながら、一体の「大天使」がその場で叫ぶ。


「……はーい「火炎ミカエル」いらっしゃ…ってちょっと‼本を雑に扱わないでって何度言えば分かるのさッ⁉」


「あーー悪い悪い…てかいい加減掃除しろよな?天書庫アーマの管理はお前の仕事なんだから…」


「今日は何の用かな?」

「無視すんな傷つくッッ‼…暇だからちょっと話そうぜ?」


「いや暇つぶしで来ないで欲しいんだけど……、じゃあ中でお茶でもしよっか」

「うーい♪」


        ☆☆☆


《天界・天書庫アーマ


「六光大天使」の一角、「魔樹のザドキエル」が管理者を務めるこの書庫では、天界のあらゆる書物が保管されている。


天界の成り立ち、天使の誕生といったあらゆる「歴史」はここで知ることが可能となっているのだ。


「ほえーー…いつ見てもすげぇ数の本だな…こんなとこずっと居たら頭おかしくなりそうだ…」


「何でさ‼こんなに面白い本がいっぱいあるのにッ特にこの本には天界に存在する天使全ての情報がびっしりと…ッ」


「あーあー分かった分かった、近いっての……てか「天使全て」ってことは六光大天使私らの事も書いてんのか?」


「うん、全員分ちゃんと……あーーいやでも、どこにも記載されてないんだよね………なんでなんだろ」


「……ふーん?…あ…そういえば、最近どこにもいなくね?」


「ん?あいつって?」


「だからあいつだって……、」


――…閃光ウリエルだよ…――

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