第47話 愛娘とそれから京さんからの。

 ごちそうさまでした。


 サンドイッチ、おにぎり、卵焼き。


 おいしい上に愛娘の手作りなので益々おいしいサンドイッチ達に感謝。

 私のおにぎりと卵焼きも二人に好評でよかった。


 あと、京さんがさっとコンソメスープとそれから、あおさのお味噌汁を出してくれた。


 ……京さんのこういう所、とても素敵なのだけれど、私達の大切な娘、由都が将来の恋人さんへ求めるレベルがまた上がってしまうのでは、と余計な心配をしてしまったりして。


 そうだわ、異性だけじゃなくて、同性だと、比較対象がみさきさんだものねえ。

 どちらにせよ、レベルが高いわ……。


 そんなことを考えていたら、二人が


「はい、お茶! あと、お誕生日のプレゼント。開けてみて!」

「僕達からだよ」

 オレンジペコーの紅茶と、笑顔で差し出してくれた四角い包み。


「わ……!」

 素敵、素敵! リネンの高級な割烹着とメンズブランドのギャルソンタイプのエプロン! 割烹着はリネンの地の色、ギャルソンタイプの方はコーヒー色。

 あとは……。


「それはね、パン屋さんが使ってるっていう耐火性と耐熱性が高い鍋掴み。洗えるよ!」

「ありがとう! これなら熱いお料理、掴み放題ね!」

 本当に、野球ができそうな厚みなのに、中で手が動かしやすくて。

 全体的に栗色? おいしそうな食パンの耳の色みたい。


「グー、チョキ、パーができる! 由都ちゃんも使ってね」

「うん!」

 うふふ、由都とお料理、楽しみ。最初は何を作ろうかしら?


「……よかった、しずに気に入ってもらえたみたいで。あと、土岐さんからメッセージアプリに連絡きたよ。今こちらに向かってるそうだから、ケーキは待とうね。……良いかな、しず?」


「二人が良ければ勿論! 嬉しいわ、みさきさんにもお祝いをしてもらえるのね。じゃあ、もう少しこの鍋掴み、はめていても良いかしら。指が動かしやすくて、中のふかふかも心地よくて」

 うん、みさきさんがお祝いをしてくれるのが嬉しいのは本当。

 ただ、すごく、なのかも知れないけど一応嬉しい、で。


「……むしろ、みさきさんが来るまではめていたら? ねえ、お父さん?」

「そうだね、さすがは由都だ」


 ……うんうん、と肯く二人。


 よく分からないけど、とりあえず、はめていても良いのかしら?


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