第41話 内緒の?お届け物。
「ただいま!……あ、こんにちは!……置き配指定ですか、こちらで頂きますね、はい。ありがとうございます。
……どうしよう、お帰りなさい、のその前なのに。
荷物が着いちゃった……!
時間指定通り、正確。
だけど、由都の下校時間が……予定よりも早いの!
「お、帰りなさい……」
いつものお出迎えと違うわよ、私。
怪しい、怪しいわよしずる!
「お母さん? いつも私に向けてくれるあの笑顔は? 体調悪い? 体温測った?」
……純真無垢な、そして私を心配してくれている愛娘の目。……正直に言わなくちゃ。
「あ、ごめんなさい、お母さん何か予定あった? 他の子は面談なんだけど、ほら、私は指定校推薦受かってるから一番目にささっ、って感じで終わったから……。スポーツ推薦の友達は大学の合宿に呼ばれてそのまま冬休みに入るっ、て先生から通達されたけど、私は一応、年明けくらいまでは内密に、ってことだから……。お留守番するよ?」
……言う前に、言ってもらっちゃった……。
「ごめんなさい、由都ちゃん。何でもないの。その……置き配指定の荷物が、ね」
「ああ、これ? うん、時間帯のみ指定の置き配だから、って業者さんに言われたから受け取ったけど、宛名お母さんだね。……じゃあ、はい。……あ」
……やっぱり、あ、よね。
「私の指定校推薦合格でみさきさんがくれたネイルの会社さんの包みだね。お母さん、もしかして……」
……さすがは、由都。
もう、自供しよう。
「そう、私も購入したの……自分名前が連想されるネイル……。でも、みさきさんが選んでくれたみたいに、色からじゃないから、ちょっと……なの。それから、ね。やっぱり由都ちゃんに似合う色、たくさんあったから、選びたくて……」
「あの色、朱鷺色! 気に入ったんだね!」
「……え?」
「……あ、ああ! そうなの? みさきさん、喜ぶよ!私のネイルの追加色、それも勿論嬉しいよ?」
違った。私の早とちりだった……。
由都が、胡粉ネイルの追加を喜んでくれて、嬉しい。……けど。
「最初は、ね。由都ちゃんへのクリスマスプレゼントに追加してあげたくてネイルの会社さんのサイトを見てたの。そうしたら、つい、ね……。調べちゃったの。由都ちゃんには相談するつもりだったの。……でも、とりあえずこっそり受け取るつもりで……」
「私はどっちがついででも、お母さんが私の為に選んでくれたらそれだけで嬉しいけど、ありがとう! じゃあ、私のはあとのお楽しみだね! じゃあ、あとで見せてね! お母さんがみさきさんの爪にのせたいネイル!」
……軽やかにお家に入っていく由都。
ああ、かわいい。
それにしても、
お
改めて言われると私、すごいことをしてしまったのかも知れない……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます