18th mission 鉄VS岩の対決です!
2人の第2ラウンドは、激しい攻防から幕を開けた。サマンサの隕石が、左右両方から俺の下へ降り注ぐ。その強烈な隕石のパワーに対抗して俺は、鉄の塊である鉄球をベースボールブレイクでことごとく粉砕していく。岩の欠片が俺の辺り一面に飛び散りまくる……。
しかし、俺とサマンサの攻防は止まらない。無数の隕石と鉄球の一撃がぶつかり合う中、俺はサマンサの14、5発目の隕石をぶっ壊した後、鉄球をけん玉の大皿に乗せた後に違和感を覚える。
「……!?」
――あれ……?
俺は、疑問に思って大皿の上にのった鉄球の様子をチラッと確認。すると、鉄球の一部が少しだけ凹み始めているのであった。
「……ちっ!」
――やべぇ……。これは、まずいかもしれねぇ……。
俺は、鉄球の凹んだ部分を見て焦り始めた。鉄と岩の硬さは、明らかに鉄の方が上だ。それは間違いない。だが、何度も何度もぶつかり合っててはその頑丈さも意味がなくなる。
鉄球の方に限界が来ている。もうそろそろ……この均衡は崩れる。そうなったら……。
俺は、この時に初めてサマンサの恐ろしさを感じた。彼女の隕石は確かに鉄球のけん玉で対抗できる。でも、彼女は何度も魔法でほぼ無限に隕石を連射できる。それに対して俺は……基本的にけん玉を1つしか持てないからどうしようもない。1つが壊れたらその時点で終わりだ。すぐにもう1つ別のけん玉を生成しないといけない。しかも……鉄かそれと同等の硬さを持つもので。
――どうする……俺。
俺は、慎重に考えながら鉄球の凹んでいない所で隕石を攻撃して身を守っていた。だが、それでもやはり限界があった。どうしても鉄球が凹んでいる所に向いてしまう。そのせいで、凹みがより一層大きくなる。
――くっそ……。
俺が、困りながらも冷静にベースボールブレイクを決めていると……突如として隕石を放っていたサマンサが厭らしい笑みを浮かべて来たのだ。彼女は言った。
「……その鉄球、そろそろ限界のようね。だいぶ凹んできて……そろそろまずいんじゃない?」
そう言いつつ、彼女は杖を空高く掲げて更に隕石を降らせてきた。
「……ちっ! コイツ……」
俺は、彼女のその性格の悪い攻撃に舌打ちをしつつ鉄球を更に回転させて……更なる攻撃に備えた。
――隕石の数は……10以上。間違いなく、これ以上くらったら……鉄球がぶっ壊れちまう!
俺は、慌てて自分の身の回りを見渡し、何かを考え始める。
――何処かに……良い素材が、落ちてないか……。隕石を砕ける何かが……。
俺は、辺りを見渡して探し続けた。だが、俺の周りに落ちているのは、隕石の破片だけ。岩だ。
――ほんのちょっとでも、この鉄球を休ませて上げられれば……。
そう思って、俺は咄嗟に周りに落ちていた岩石を手に持ち魔法を発動させた。
「……生まれろ! 俺のけん玉!」
俺は、隕石でけん玉を作りあげて鉄でできた方を一度地面に置き、そっちの方を使い始めた。
「……ぶっ飛ばすぜ!」
俺は、気合を入れてそう言うと早速右側に見える隕石に向かって岩のけん玉をぶつけに行った。
・
・
・
しかし、2つの岩石はぶつかるとすぐに粉々になってしまう。
――しまった……!? これじゃあ……!
俺は、粉々になってしまった玉のついたけん玉を地面に投げ捨てるとすぐに鉄の方に持ち替えて左から来る隕石へ鉄球をぶつけに行こうとする。
――しかし……。
「ダメだ! 間に合わない! 次の隕石が……こっちに近づいてきやがる!」
サマンサの隕石は、着々と俺の下へ落下してきた。この隕石をどう防ぐか……俺の頭の中には、まだアイディアが浮かんできちゃいなかった。
――To be continued.
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