14th mission 俺のこの仕事は、マフィアの仕事って事で違いないらしい

 目を閉じると、当たり前だけど景色が真っ暗になった。俺の意識は既に遠退き出している。眠気のようなものが意識を蝕んでいる。



 ――あぁ、死ぬ。っていうのが、何となく分かる。そして、闇の濃さがより一層ドス黒さを増していくと俺は更に靄のかかったような暗い景色に意識を蝕まれていく。








 しかし、少しするとこの闇の空間に一点だけ光が見えた。その光から優しい熱を感じ、やがてそれがじわじわと広がっていき、闇を払い退けていく。目の前がほぼ80%ほど光になった所で俺は、遠退きかけていた意識を取り戻した。少しすると、目を開く事もできるようになり、まるで早朝の太陽の光を浴びて眠たそうにしている人のように俺は、目を開けて起き上がった。




「……あれ…………?」




 さっきまで見ていたような夢や倒れる前まで見ていた現実と少し違う今に俺は、疑問を感じた。






 ――おかしい……。俺は、あの時……両腕を隕石に撃たれてそのショックで死にそうになっていて……。





 しかし、今俺が見ている景色は違った。倒れている俺の元に両手と両足を拘束されたアリナが車の中から手を伸ばして両掌から淡い金色の光を発していた。そして、その光を受けた俺の傷だらけの手がみるみるうちに治っていく……。




「……これ、は?」



 すると、アリナは答えた。




「……アタシの魔法よ。アタシは、昔から人の傷を癒す魔法が使えるの……」




「人の傷を……」



 確かにそう聞こえた。俺は、さっきまで閉じかかっていた自分の瞳をカッと開いて彼女に言った。




「……人の傷を癒すだって!? どうして、それを君が!」



 そう言った瞬間、俺の右手がまたしても痛み出した。すぐに左手で右を抑えるとアリナが慌てた声で言ってきた。



「……ダメよ! 今は、激しく動いちゃダメ! それに……そんな説明をしている暇は今はないわ!」





 そう言うとアリナは、視線を俺から離して別の方向を向いた。……俺もゆっくりとアリナの向いた方向に視線を移すとそこには、さっき俺に隕石をぶつけて来た黒服の魔女が立っていた。




「……!?」



 ――ドキッ! と俺の心臓が弾む。すぐに立たねばと体を動かそうとするが、しかしダメージは自分が思っているよりも大きく体が重い。俺が立てないでいる間に魔女の女が喋り出した。





「……貴方、感謝した方が良いわ? が回復の魔法をかけてあげなければ……今頃死んでいたもの……」




 「お嬢って……やっぱりお前…………」



 俺は、衝撃的な表情になると回復を続けながらアリナは言った。




「…………サマンサ。もうその辺にしなさい。それ以上この男に何かを言うのを禁止します」



「……」


 そして黙っている俺に答えた。

「えぇ、そうよ。私は、マフィアのボスの娘。アリナ・グランティーノ。貴方が仕事を依頼してきたカルデルーポっていうおじさんと私の父は、同じマフィア同士で敵対関係にある……。私は、そのカルデルーポのボスの命令で拉致された……そう言う事よ…………」








 俺の頭が真っ白になった。ここでようやく俺は、自分が何をしていたのかを理解した。





















 ――俺は、マフィアの仕事を手伝わされていたのか…………。
























 ――To be continued.

 

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