第四刃禁じられた遊興の茶会①

多瀬一族、旧華族、旧財閥、本来あるべき姿、元の鞘に戻ると自然にある事がある。


西日本の支部長、東日本の支部長の争い、次期社長継承戦、それが絶えず行われる。


極道と忍者の二つの存在だけで表せるような簡潔さなどはなく、様々な人種、組織、各国の多国籍企業、民間軍事会社の勢力図。


それを、暗澹両儀あんたんりょうぎという。


多瀬一族のダークトピアがあり、もう一つ、ライトトピアの日山一族ひやまいちぞくというのがある、二つの家の結び付き、受精、受胎、そして太極図の化身を形成する事になる。


政略結婚めいた縁談であった。


その二つの一族は戦国時代においては様々な戦術と戦略を日本に張り巡らしていた。


天敵の二文字だけで全てが現せる。


だが多瀬一族の家庭内紛争アウターミッションは続く、永劫回帰そのものでその兄弟も犬猿の仲だった。


冷戦状態とも例えられるだろう。


緋走はそれをどうでもよいとさえ思って、出奔をしていた。伝家の宝刀は改造された。


またG7G8


そんな中、多瀬一族は海上都市計画を打ち出していて、大阪湾に人工的な島を作った。


古事記には国産みというのがあるが、そういう感じで日本列島に島を一つ増やした。


四象陣の島、そこの市名は煌道こうどう市と呼ばれた。


輝かしい万象がここには広がっていた。


大きな公園の遊具の群の下にはクッションめいたものが地面一面に広がっていた。


別荘地帯、或いはリゾートもあった。


そこにある遊園地は大人向けをあえて意識して作られており、ランドセルをしている小学生には不向きな施設がある。その場所の名前はトルトゥーガランドと呼ばれていた。


隣接されたホテルの幾つかはラブホテルであった。異次元の少子化対策が行われた。


ネオサイドと呼ばれる場所の中心には高い塔があった。そこには階層ごとに強さが違う格闘家達がいて、二百階を越えると違う強さを持った人間達がいる、そして、最上階の特別コロシアムでG8それぞれの国の最強を投下する代理戦争トーナメントがある。


平和というテーゼと戦争というアンチテーゼを組み合わせたジンテーゼがそこにある。


そんな煌道市に禊瀬は一家で移住した、もちろん、緋走もであった。九月からは新しい高校に通うことになっている。


家は豪邸、11LDKだ、庭には白色の薔薇園があり、小さめながらプールもあった。


書庫はとても大きい。ゲームだけを置いた部屋もある、子供部屋は三人それぞれにある、ウォークインクローゼットもある。


この家では不満も不満足も発生しにくいだろう、ここでは本当の幸せが手に入りそうだ。


禊瀬終剣、もとい禊瀬月兎げっともそんな事を思い、ママ友を呼び、お茶会を開いていた。


アロマフレグランスの資格を取ることに成功して起業、会社は大繁盛をしていた。


セレブの仲間入りをしていたのである。


ママ友のカーストは最上位、聖なる女王だ、魔王猫という概念は克服されていた。


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