第三刃太極を蹂躙する大厄の超越蜘蛛③


「そんな事より、これを着けろ」


そんな言葉と共に鬼亜はガスマスクを持ってきて、緋走に装備する事を促した。


隣にはガスマスクを装備した刺々しい強化外骨格パワードスーツをした女性がいた。


恐らくは曰く付きの中華狂戦士の鎧チャイナバーサーカーメイルだ。


剣も中華である。数年前、大手TV局の大半が抜本的な視聴率の改善策として韓流ドラマではなく華流ドラマも流すようになった。


日中間の国際関係が改善すると共に、そのような気風の時代精神へと自然に到達した。


八島拳號の攻撃力パワーは尋常ではない、全ての技が一撃必殺の高みへと昇りつめている。


ナックルアロー、それがいきなり飛来した。


中華狂戦士の鎧チャイナバーサーカーメイルは割れない、砕けない。壊れない。


格別な安心安全設計、わざわざ白色に塗り替える途中で仙術の要素も複合させた。


桃源郷にある特殊な光元素の鉱物の鋼で中華狂戦士の鎧チャイナバーサーカーメイルを強化、改造を施した。


「まだよ」


愛する子供を守ろうとする母性本能がそのまま定評のある守備力ディフェンスへと直結した。


それにより亜種の不死性を活性化した。


それにより白かった鎧が赤く染まる。彼女の

怒気に呼応して、邪気を纏っていた。


地母神というのは元来、そういうものだ。


アナト、そしてキュベレというのもいる。


イシュタルがアシュタロトと堕落させられたのは現代でのSNSの相手への悪魔化に通ずる部分がある。


しかし女媧じょか、古代中国神話に登場する人類を創造したとされる女神。 姓は風、伏羲とは兄妹または夫婦とされているが、それを悪魔化するのは難儀だ。


そもそもしなくていいだろう。


障らぬ神に祟りなしだ。


それに付随するようにTASが付いてきた。二重の意味でファンネルというのだろう。


それが一斉に射撃をした。


八島拳號がその全てをかわしていく。


「なにやってんだよ、親父!」


そこに崩静楽がやってきて八島拳號を止めようとするがそれにもTASが飛んで来る。


「………なんだこの殺気、あれが、あのお母さんが出すとは思えないんだが………」


それに対して防御姿勢をとり、嘆いた。


八島拳號がTASの中、背後から背中を一突きされた。禊瀬終剣に後ろをとられた。


「グァッ!」


そんなうめき声がされた。


崩静楽がそんな狂気の精神波マッドサイコウェーブを脳味噌に上書きされた存在を止める。


後ろから羽交い締めをする。


そこに鬼亜がそんな彼女の肩に手を置いて、おまじないの言葉を詠唱した。


「お前は本来、人間である」


それで赤い鎧は白い鎧に元通りとなる。


緋走は鬼亜の方をじろりと見ていた。


ヴェノム・ゴーレムは焼却していた。流血刀の他に厄災炎獄道化やくさいえんごくどうけという銘の柳葉刀を装備、それで斬り、燃やした。毒が尽きる。


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