第350話 ラニアン王国の希望
「魔王国が急に柔軟な考えを示したのはゴウさんが何か交渉をした結果でしょうか。」
クロエこれまで魔王国はラニアン王国を滅ぼそうとする意志を感じたのだが、此処にきて存続が許されるという話が出てくる、やはりローズが言っていた側室として自分を求めている事が大きな影響を与えていると考えるべきであろう。
きっと今ゴウはラニアン王国の為、いや自分を娶る為に魔王国との交渉をしているのだと思うと胸に来るものがあった。
「ゴウさんに連絡を取ることはできますか?」
「ゴウ様への連絡は禁止させてもらう。
守れぬなら拘束しても構わないと命令を受けている。」
兵士に何度か確認するのだが会わそうとしない、これは魔族に不都合があるからだろう。
「会えないとはいえ、ゴウさんが作ってくれた好機です、条件を良くする為にどれだけ譲歩出来るか確認を取る必要がありますね。」
クロエは現状を記した書状をヘリオスに出す。
「なに?魔王軍が停戦を模索しているのか!」
クロエがもたらした情報は明るい話題の無かったヘリオス達に久々の朗報となる。
「条件交渉と連絡役が必要か・・・
うん?なんだこれはクロエが平民の側室となるだと!
こんな条件は却下に決まっている!」
クロエが書状に書いてある側室入りについてはヘルマンは認める訳にはいかないと怒りを露わにする。
「父上、交渉が纏まってきているなら私が出向き最終的に纏めて見せましょう。」
「ハーツ、しかしお前は魔族にやられたではないか、そのような危険な場にお前を送る訳にはいかない。」
「父上、国の危機に王太子たる私が何もせずにとはいきません、国民の為にも死地に入ることでラニアン王国への忠誠を取り戻す事に繋がると思います。」
「ハーツ、見事な考えだ、わかったお前のその意気を買おう、必ずや無事に帰ってくるのだ。」
「お任せください!」
ハーツは側近達とプレザを連れてクロエが滞在するホテルへと向かうのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます