第345話 交渉

「ローズ!その姿は何があったのです!」

「この者はゴウ様の暗殺を企てた!拘束を解いた場合宣戦布告とみなし、交渉を打ち切りラニアン王国を滅ぼす。」

「そんな、このままにしておけと。」

「そうだ、本来なら処刑すべきなのだが、ゴウ様のお慈悲に感謝しろ。」

「一体何があったの・・・」

クロエは混乱するだけであった。


兵が立ち去った後、ローズに事情を聞く。

「ローズ何があったの?」

「ゴウを交渉の場に連れて来ようとしたのですがあの者は身の程もわきまえずクロエ様を妾にしようなどと企んでおりました!」

「・・・ゴウ様が私を妾にしようとしていたのですね。」

「そうです!それを知った私を魔族を使い攻撃してきて・・・

くっ、怒りで動揺してなければ、あのような者に負ける事は無かったのに!無念です!」

「いえ、いい情報を得ました、ローズ苦しいと思いますが今暫し耐えてください。」

「クロエ様?」

「ラニアン王国の生き残る道があなたのおかげで見えたかも知れません。」

「私がラニアン王国を救うのですか!」

「ええ、独断専行したのは良くない事ですが得た情報は悪くありません。

あとは私が交渉するだけです。

その間、魔王国に従う必要があります。」

「わかりました、ラニアン王国の為にどのような苦難も受け入れましょう!」

ローズは騎士の嗜みとばかりに苦難を受け入れる。


静かになったローズの代わりにクロエは今後の交渉方針に向けて考えを巡らせるのだった。


「ま、まて!ククリさん!そんなつもりは無くて!!」

「今晩一晩一緒にいてくれるって言いましたよね、さあ一緒に寝ましょ?」

「わ、わかった、百歩譲って同じ布団なのは受け入れるから、服は着てください!」

「どうせ脱ぐんですから、良いじゃないですか?」

「いやいや、寝る時は服を着るでしょ?」

「知らないんですか、剣神様の世界では服を脱いで寝る健康法があるとか。」

「・・・無いとは言えない。」

「ですよね、勿論変な事はしませんから。ねっ。」

ククリからはいやらしい雰囲気は感じない、流石にそんな感じじゃないのだろう。

「はぁ、わかりました。でも変な事はしませんからね。」

「はい♪変な事はしません。」

俺は諦めて布団に入る、そもそもベット自体大きいのだ、距離さえ取ればククリに触れることも無いだろう。


「ゴウ様♪」

「ちょっと、なんで抱きつく必要が!!」

「私を抑えて欲しいのでーす♪」

「あー、わかりました。これでいいですか?」

俺はククリを抱き締める。

「そうです、そのまま眠りましょう、ゆっくりと・・・」

裸の女性を抱きしめて眠る、布団の中で見えていないとはいえ、指には肌の感触が有り、柔らかい者が胸に当たっている、当然かのように元気になる物はあるのだが、俺はあえて気付かない事にする。

暫くすると俺は眠気をおぼえる、ククリからいい香りがしているし、抱きしめる事で得れる安心感というのだろうか、段々眠さがましてくる・・・

「ククリさん、そろそろ寝そうです・・・」

ククリから返事は無い、きっと先に寝たのだろう、俺もそのまま意識を手放すのであった・・・

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