第336話 戦争準備?

「クーラ様、ラニアン王国が戦の準備をしているようにございます。」

「戦の準備?あれだけ敗れてもまだわからないのか?」

「そのようにございます。」

「まあいい、戦をしたいというなら受けて立つのみ。

各部族に連絡を。」

「はっ!」

ゴウの敷設した鉄道網は各部族への連絡も容易にしていた、その日のうちに連絡は各部族に届き順次戦の準備が進んでいく。


「あれ?物々しいな。」

イーヨに着いた俺は街の中が騒がしい事に気付く。

「ゴウ様、戦時の旗が城に上がっております、戦があるようにございます。」

「戦時の旗?」

「はい、城門にあげられた真紅の旗にございます。」

ククリが指差す方を見ると其処には真紅の旗があがっていた。


「戦って、何処と?」

「ラニアン王国でしょうか?魔王国は他とは良好な関係を維持しております。」

「ラニアン王国?クーラさん滅ぼす気になったのかな?」

「いえ、お父様は滅ぼすつもりは無かったと思いますのでラニアン王国から仕掛けてきたのではないかと。」

「仕掛けるって、ここまで負けてるのに?」

「普通は有り得ないのですが・・・

ラニアン王国に策があるのでしょうか?」

「たしかに想像も出来ないような策が有るのなら勝算も有るのかな?」

「わかりませんね。」

「まあ、お世話になっている魔族さんに被害が出るのは心苦しいし・・・」

俺はルデンを囲むように周囲に鉄道を敷設する。


「ゴウ様?」

「ラニアン王国は出陣する事が出来なくなったよ、さてクーラさんに会いにいこうか。」

俺達は城に向かう。


「ゴウ様、よくお戻りくださいました。

城内は少々騒がしくなっておりますがご容赦ください。」

「クーラさん、戦争が始まっているって聞いたけど?」

「ええ、ラニアン王国が兵の準備をしているとの報告が有り、それに備えているのです。」

「ラニアン王国に勝ち目はあるのかな?

あまりに無謀じゃないかな?」

「ええ、既に勝ち目は無いはずです、自ら滅びる事を選択したのかと存じます。」

「そうとしか思えないんだよね、一花咲かせようとしてるのかな?」

「とはいえ、追い詰められた者は思いがけぬチカラを発揮する事があります、我等は万全の備えをして迎え討つつもりにございます。」

「たしかに油断は禁物だけど、ラニアン王国は出てこれないと思うよ。」

「えっ?」

「既に街を線路で囲んでいるから、簡単には越えれないはず、まあ櫓でも組んで上を越えるか、穴を掘って下を潜れば出れるかも知れないけどね。」

「それだと簡単に分断できるような・・・」

「そうだね、分断出来るよ。それにルデン前には駅もあるから簡単に攻めれるし、そうだ兵が滞在出来るように少し広げておくか。」

俺は駅前に広場とホテルを建てる、これで多くの兵が滞在出来るようになるだろう。

「ゴウ様ありがとうございます。」

「クーラさんには世話になってますから、ただ住民には寛大な処置をお願いします。」

「わかっております、戦いに参加せぬ者には慈悲の心で対応しましょう。」

クーラと約束を交わし、会談は終わるのであった。

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