第333話 復活
「なぁマナブ、ミユキさんも店で働いているんだよな?」
「いえ、ミユキさんはゴウさんと一緒に行動されていますから、普段は駅にいませんよ。」
「えっ?あのおっさん、女子高生を侍らせているくせに、何を偉そうにしてんだ!」
「カツさん、ゴウさんについて悪く言うのはやめてください。」
「なんでだよ。」
「ゴウさんに感謝しているのは僕達も同じなんです。」
「あーわかったわかった、そんな怖い顔すんなよ、それよりどんな仕事か説明頼むよ。」
カツは軽く流す、その態度にマナブは不安を覚えるのだが、それ以降、反抗的な態度はなりを潜め、仕事に励むカツの姿があった。
「うん、問題を起こすかと思ったけど、大丈夫そうだよね。」
何日か経過し、問題なく働く姿に俺は一安心する。
「はい、真面目に働いてくれています。」
マナブも一安心した所に病気療養に行っていたみんなも帰ってくる。
「みんな治ったのか?」
「もちろん、ゴウさん、マナブ、お手数をかけました。」
ハジメが代表して頭を下げる。
「治ったならいいよ、今後は気をつけるように。」
俺も男だから大人の店に行きたい気持ちもわからなくは無い、だからこそきつく取り締る事はしなかった。
「男子は最低ね。」
ナオコからは冷たい視線が飛んできていた。
「ナオコさんも許してあげて、男って言うのは仕方無い所もあるんだよ。」
俺はハジメ達を庇う。
「ゴウさんもそんな気持ちになるんですか?」
「俺?そういえば、最近少ない気がするな・・・
もう年なのかも知れないな。」
俺は少し寂しい気持ちになる。
「そうなんですか・・・」
ナオコはチラリとゴウの後ろに立っていたミユキとカスミに視線を向けると二人は軽く視線を逸らす。
「それなら。」
ナオコはゴウの手を取ったかと思えば自分の胸に押し当てる。
「ナオコさんなにを!!」
「元気になりました?私の胸、そこそこ大きい方だと思うんです。」
俺の手のひらに感じる柔らかいものは確かに大きなものが・・・
「ナオコ!なにしてるのよ!」
カスミが慌てて俺の手をナオコから引き離す。
「ゴウさんの元気が無いって言ってたから元気を出させてあげようかなって、カスミもする?」
「ちょ、こんな所で出来るわけないでしょ!」
「ふーん、こんなところじゃ無ければ出来るんだ?」
「あっ、ち、ちがうの、違うのよ、そういう意味じゃ無くて!」
真っ赤になりながら否定するカスミだがその表情に説得力は無い。
「カスミ、ちゃんとしてあげないとゴウさん取られちゃうわよ。」
ナオコはいじわるそうにカスミに耳打ちする。
「ナオコ!?」
「ゴウさんを狙っている子はカスミ達だけじゃ無いからね、カスミがちゃんとしないならその子達がしちゃうかも。」
「うーナオコのいじわる。」
ナオコとカスミのやり取りの会話は聞こえないが普段しっかりしているカスミも友人のナオコの前ではコロコロと表情が変わる姿を見て友人とは良いものだと改めて思うのであった。
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