第326話 少女の行き先・・・


「お父さんが死刑・・・

お姉ちゃんが性奴隷・・・」

リリカが話を聞いた時には全てが決まった後だった。

「マナブさん!いったいどうなっているんですか!」

あまりの事態にリリカはマナブを問い正す。

「リリカさん、よく聞いてください。

リリカさんの家で行われていた売春行為は違法行為であり、その罪で第一騎士団に裁かれたんだ。」

「なんで第一騎士団を呼んだりしたんですか!」

リリカは泣きながら抗議する。

「えっ?」

「第一騎士団は法に厳しいって有名なんです!

第一騎士団が出てきたら小さい罪でも重くなるのに・・・」

「そうなんですか・・・」

「せめて第二騎士団なら配慮してくれるのに・・・」


「第一騎士団が出てきてくれたのは君が此処に来たからだよ。」

「ゴウさん!」

たまたま通りかかった俺はリリカに責められ言葉に困るマナブを助ける為に口を挟む。


「なんで此処なら第一騎士団が来るんですか!

町の事なら第二か第三騎士団の管轄のはずです!」

「一応此処は国賓の屋敷があって、君はそこに保護されていたからね、国としても第一騎士団が出てきたんじゃないかな?」

「そんな!私が此処に来たからお父さんが・・・」

リリカはショックを受けている様子だった・・・


「マナブくん、ちょっといいかい?」

「はい、リリカさん少し出てきます。」

俺はマナブを連れて別の部屋に向かう。


「マナブくん、あの子をどうする?」

「えっ?どうするとは?」

「あの子はお父さんも亡くなったし、お姉さんも遠くに行く事になった。

これからどう生活をしていくか相談したいけど、今の様子じゃ話し合いは難しいかな。」

「ええ、まだ受入れてられないと思います。」

「マナブくんとしてはどうしたい?」

「僕ですか?」

「もし此処で受け入れるならマナブくんの管轄になるからね、君の意見を聞いておきたい。」

「・・・」

「すぐにとは言わないよ、ただ考えておいて。

受け入れる事は可能だから。

まあ、彼女がどう生きるか次第だけど・・・」

俺は残されたリリカの行く先を心配するのだった・・・

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