第325話 他者の刑罰
「何を言っている、当然他の者の罪も重い。」
「えっ?」
「売春宿の店主は死刑が決まってすでに執行された、その娘はお前と同じ誘拐と売春斡旋の罪で本来死罪なのだが、過酷な地で性奴隷として生涯をすごす事を受入れた。
他の売女も多少の刑期に差はあるが各地で性奴隷として奉仕する事になっている。
当日客としていた者達は去勢される。」
リュウタは耳を疑う、まさか自分以外の他の人も重い罪になっていたとは思っていなかったのだ。
「頼みます!ゴウさん!どうか俺を助けてください!
俺、そんなつもりは無くて・・・」
これまで助けてもらって当然といった雰囲気だったリュウタがここに来て初めて俺に頭を下げる。
「俺ができることはしたつもりだよ。
リュウタくん、そんなつもりは無くとも犯した罪は償わなければならない、ましてや此処は日本じをしたゃ無いんだ、罪の重さも日本と違う、軽率な真似自分の行動を振り返るといい。」
「い、いやだ・・・奴隷も手足を失うのも嫌だ!頼む助けてくれよ!
俺はまだ中学生だぜ、それなのに奴隷なんて耐えられないし、手足を泣くしてどう生きれば良いんだよ!」
「リュウタくん、自分で決められないならこの国の人に決めてもらうけど、それでも良いのかい?」
「えっ?」
「自分で選べるだけでも温情を与えてくれているんだ、どうする?」
「いやだ!!」
俺の言葉にリュウタは泣きながら騒ぐ、その姿は不良として肩で風を切って歩いていた姿は無く、年相応の子供なのだと感じる。
「決められないようなので私が・・・
奴隷として鉱山で働かせて上げてください。」
リュウタが自分で決める事を少し待つのだが泣き止む様子も無い、そしてここにいるマーサとサンチェは王子であり、騎士団長なのだ、この二人の時間を長々と使う訳にもいかない、俺は恨まれるのを覚悟して、リュウタの奴隷堕ちを決める。
「わかりました、おい連れて行け。」
サンチェはすぐにリュウタを牢屋に戻すように騎士に合図をする。
「おい、ゴウ!勝手に決めるな!」
「リュウタくん、君が決めれない様子だったからね、良いかい此処は日本じゃ無いという事をよく覚えておくんだ、そうじゃ無いとこの先も苦しい思いをする事になるよ。」
「くそっ!なんでこうなるんだよ!
ゴウ!覚えてやがれ!」
リュウタは悪態をつきながら牢屋へと戻されていくのだった・・・
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