第323話 刑罰

「ゴウさんから助命嘆願がきた、あの男の死刑は待つように。」

マーサはゴウからの助命を受け、刑の執行を止める。

「マーサ様、あの男は誘拐と婦女暴行未遂、聖域での売春の罪がございます。

古の魔法使い様といえど、減刑には限界があるかと。」

「サンチェ、我が国はゴウ様と縁を上手く持てていない、この件をもってゴウさんに貸しを作り、縁を繋げる。

これは何より優先すべき国策であり、法を曲げたとしても実行すべき事だ。」

「しかし・・・」

「これは王子としての命令だ、責任は私が取る。」

「其処までのお覚悟なら私からは何も言うことはございません。

ですが無罪とはいきますまい、如何になさいますか?」

「ふむ・・・

サンチェはどう思う?」

「死罪を免れるのです、軽すぎては不満に思う者もいるでしょう、奴隷にして鉱山で働いてもらうか、手足の一本は落とす必要があるかと。」

「・・・ゴウさんに相談してみるか。」

マーサはゴウと会う手筈を整える。


「マーサさん、無理を言ってすみません。」

「いえ、ゴウさんが望むなら多少の融通はきかせますが、それでも死罪を免じるぐらいになりますがよろしいですか?」

「死罪だったのですか?」

「ええ、誘拐と婦女暴行、聖域での売春行為と、幾つも重い罪を重ねております。

見せしめの為にも重い罪にしなければならないのです。」

「ええ、事情はわかります、私としても無理を言っていることはわかってます。」

「私達としては手足のどれか一本を切り落とすか、奴隷として鉱山で働いてもらう事を考えております。」

「・・・中々に厳しいものですね。」

「死罪を免れるだけでも特例なのです、誘拐で死罪、婦女暴行で奴隷堕ち、聖域での売春行為で去勢、一つの罪でもこれ程ですから、三つの罪をふまえれば・・・」

「わかりました、ですが一度本人と面会して決めてもよろしいですか?」

「サンチェ、それは可能か?」

「はっ!騎士団にて身柄を拘束していますので可能です。

すぐにお会いなされますか?」

「ええよろしくお願いします。」

俺はすぐに面会することにするのだった・・・

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