第322話 助命を求めるか・・・

リュウタを減刑を願うかどうかはクラスメイトの中でも意見が分かれていた。

「リュウタのした事は日本でも誘拐だ、ゴウさんに願い出てまで助ける必要は無いだろ。」

「待てって、クラスメイトを見捨てる気か!

そりゃ犯罪行為だったかも知れないけど、向こうの家族から頼まれた事に加担しただけじゃないか、せめて減刑を願い出るぐらいは頼んでもいいんじゃないか?」

「ちょっと、リュウタがリリカちゃんをレイプしようとしてた事を忘れてない!

女として許せないわ!」

リュウタが捕まった事は自業自得として罪を償えという声が大多数をしめるのだが、それでもこの世界の刑罰を日本人であるリュウタが耐えられるかどうかわかったものではない、せめて減刑を求め、ある程度の刑罰で許してもらえるように働きかける方が良いのではないかという声も上がる。


「そもそも誰がゴウさんに頼むんだ?」

「そりゃカスミちゃんからお願いしてもらうのが一番いいんじゃないかな?」

今、この場にカスミはいない、カスミにお願いする前にクラスメイトの意見を纒めようというクラスメイトの考えだったのだ。

「あー、こんな時にナオコがいたら頼みやすいのに!」

少し堅いカスミよりナオコの方が柔軟な考え方が出来る、カスミに意見をいうのにもナオコの方が都合が良いのだがナオコはトーアに行っているので王都にはいない、その事も意見が纏まらない一つの原因でもあった。


「みんな、落ち着け。

リュウタのやった事は許されていい物では無いが、重すぎる刑罰が下らないようにゴウさんに働きかけてもらおう。」

マナブはみんなの意見を聞きながら話を纏める。


売春宿の事も含めてリュウタは見せしめに重い刑罰になる可能性を感じていた、だが死刑など取り返しのつかない刑罰が下るのを同級生として感化する事はできなかった。


「ゴウさん、リュウタの刑罰の事なんですが・・・」

マナブはゴウに助命を求めようと話を持っていく。

「つまり、重い刑罰が下らないように話して欲しいという事だね。」

「はい、図々しいお願いという事はわかっているのですが、私達としては、同級生を見捨てる事は出来ない、いえ、したくないのです。

お願いします、リュウタはカスミさんを守った事もあります、その功績に免じて一度だけ慈悲をかけてもらえませんか?」

「ゴウ兄、私からもお願いします。

私が襲われそうになった時に助けてもらったんです、このまま死刑になるのを見捨てる訳にはいきません。」

「わかった、俺から話をしてみるけど、刑罰を決めるのはこの国の人だから助けれるとは限らないよ。」

「ありがとうございます!」


俺は二人の意見を聞き、マーサに助命嘆願を出すのであった・・・

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