第317話 戻ってみると
「アユミどうしたの?」
「カスミ大変なの、ゴウさんに会わせて!」
トーアに着いたアユミはホテルに駆け込み、最初に会うことの出来たカスミに助けを求める。
「落ち着いて、すぐにゴウ兄を呼んで来るから、アユミはここで待ってて。」
カスミはすぐにゴウを呼びに行く。
「アユミさん、何があったんですか?」
カスミに呼ばれ俺はすぐにアユミが待つロビーへとむかう。
「実は家族から売春を強要されている女の子が逃げ込んできまして、今保護しているのです。
私達じゃどうしていいかわからなくて、ゴウさんに判断をお願いしたいのです。」
「家族から逃げて来たのか・・・」
この世界では身売りがある事は理解している、生活の為に身体を売る事も同様に普通にある、全てを助ける事は出来ない以上関わるべきでは無いのかも知れないがマナブを始め王都に残してきた子達で判断するのは酷な話だろう。
「わかった、すぐに戻るよ。
カスミ、ナオコさんにこっちを任せたいけど大丈夫かな?」
「ナオコはしっかりしてるから、みんなの面倒をみれると思う。」
「じゃあ、ナオコさんに頼んでもらえるかな?
俺は男の子達に知らせてくる。」
「はい。」
俺はすぐに手配を終わらせ王都に戻る。
「ゴウさん!」
「マナブくん、大変だったね。」
「それどころじゃ無いんです、リュウタがリリカちゃんを、逃げて来た少女を連れて行ったんです!」
「えっ?リュウタくんがリリカちゃんを連れて行った?」
「はい、ただ、リュウタがリリカちゃんの家がやっている宿に泊まっているので誘拐なのかは考えるところですが・・・」
「宿の場所はわかっている?」
「はい。キノコ亭という宿です。
場所もわかります。」
「案内してもらえるかな?
リュウタくんが何を考えているか知らないけど一度保護した少女を勝手に連れて行かれるわけにもいかないからね。」
「ゴウさん、城からも人を出します。」
同行していたマーサが騎士の派遣を申し出てくれる。
「ありがとうございます。
マナブくん、案内を頼む、みんな急いでいくよ!」
俺はマーサの提案に感謝し、すぐに出発するのであった。
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