第314話 話し合い

「ここの責任者はいるか!」

駅に着いたアークはマナブを呼び出す。


「何でしょうか?」

「貴殿は?」

「私はこの店を任されているマナブといいます。」

「そうですか、私は第二騎士団所属、アークといいます。

此処に少女が誘拐されているとの報告があり参りました、確認させて頂けませんか?」

「誘拐はしていません、ただ、家族から逃げて来た少女を保護はいたしました。」

「保護ですか?」

「はい、保護です。」

「その少女に会わせてもらえますか?」

「本人に確認を取ってからでも構いませんか?」

「もちろ・・・」

「隊長!こいつらが監禁しているのは確定したんです、すぐに捕まえ助け出しましょう!」

「落ち着けモルド、此処はゴウ様の施設だ、我々は真摯に対応する必要がある。」

「隊長、俺は少女の姉から早く助けて欲しいと頼まれたんです、遅れれば遅れる程取り返しのつかない事になる!」

「落ち着け、だからこれから本人に面会して意志の確認を・・・」

「姉が言ってたんです、妹リリカを言葉巧みに洗脳して家族と引き離したんだって、会ったところでコイツラの良いように言わされるだけなんです、まずは引き離してから話を聞くべきです。」

「たしかにその話が本当ならすぐに助け出すべきだろう、だがまずは話をしてからだ。」


「アークさん、申し訳無いですが先程の話を聞いて素直に彼女と会わす事は出来ません。」

「マナブさん、それは困る。

たしかにこいつの言葉に危険を覚えるの仕方無いかもしれないが私はそんなつもりは無い。」

「それを信じる事が出来ないのです。

せめてゴウさんがこちらに戻ってからお話しましょう。」

「ゴウ様がお戻りになられるのですか?」

「ええ、今呼びに行っておりますから近日中には戻って来られるかと。」

「隊長、数日もあれば取り返しのつかない事になってしまいます!今すぐに救出すべきです!」

「モルド落ち着け、話が拗れたのはお前が口を出したからだ、私が見る限り、マナブは会わせることに抵抗が無かった、私は保護された物だと感じた。」

「しかし、何かあったら責任問題になりますよ!」

「いや、強引に踏み込んでも良いことは無いだろう。マナブさん失礼した、ゴウ様がお戻りになられたら第二騎士団のアークまで一報ください。」

「はい、わかりまし・・・」


「大変だ!マナブ!」

話が纏まりかけた所に同級生のミツルが駆け込んでくる。

「どうした?」

「リリカちゃんがリュウタに連れて行かれた!」

「なんだって!!」

思わぬリュウタの行動にマナブは驚きを隠せなかった・・・

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