第312話 連れ帰る為に・・・

「リンナ、リリカちゃんは?」

不機嫌そうに帰ってきたリンナにリュウタが尋ねる、今晩リュウタがリリカと過ごす予定だったのだ、初めての女の子、しかも美少女を自分が抱けるとあってリュウタはソワソワしていた。


「ごめん、リュウタ。

リリカの覚悟がまだ決まって無いみたいで家出しちゃったの、ちょっとだけ待ってくれる?」

「はぁ?なんだよそれ。」

「ごめんって、こういうのも含めて初めての子は難しいのよ。」

「まあ、たしかに仕方無いのかも知れないけど・・・」

「今晩は知り合いを紹介するから我慢してくれない?」

「まあ、それなら良いか、でも前金払ってるからな、今更反故にするのは無しだぞ。」

「わかってるって、リリカも心が決まって無いだけで他に行くところも無いんだからすぐに帰ってくるわ、その時はお願いね。」

「勿論だ。」


その日は紳士的に我慢したのだが3日も先送りになるとリュウタの機嫌も悪くなってくる。


「リンナ、何時になったらリリカは帰ってくるんだ?」

「ごめん、手持ちのお金も少ないから、もう戻ってきても良いはずなのに・・・」

「ったく、俺だから我慢してるけど金を渡してる以上早くなんとかしてくれないか?」

「わかってるわ、もうちょっとだけ待ってよ、情報も入ったからすぐに連れて帰れるわ。」

「それなら少しだけ待つけど。」

「ええすぐよ。」


リンナも何もしていない訳では無かった、知り合いからの情報を集めてリリカの姿を駅で見かけた事を確認、騎士団の知り合いを通じてリリカが駅で監禁されていると訴えていた。


「駅で監禁?」

「そうなの、妹が駅で監禁されてるの、助けてくれないかな?」

「妹って、酒場の手伝いをしているリリカちゃんの事だよな?」

「そうよ。」

「あんな良い子を監禁するなんて許せないな。」

「そうでしょ、私も心配で心配で・・・」

「そうだろ、わかった良いようにはからってもらえるように調整しておくよ。

・・・ところでリリカちゃんも客を取るって話を聞いたけど?」

「ええその予定よ、もう少ししたらね。」

「その時は俺も頼むよ。」

「良いわよ、お世話になるのだからリリカも積極的にご奉仕すると思うわ。」

「楽しみにだな・・・」

騎士は少しヨダレを垂らす・・・

「それもリリカが帰ってきての話だから、お願いよ。」

「任せろ、これでも色々コネはあるからな、ちょっと動けば救助するぐらい簡単さ。」

騎士は安請け合いする、その根幹には下心があったのだった。

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