第306話 治療

俺は学生達を連れてトーアに着く。

「えっ?遊園地?」

駅から降りたハジメは目の前にある遊園地に驚いていた。


「ここは土地があったからね、王都より好きに開発させてもらっているんだ、それより病院はこっちだよ。」

俺は遊園地の反対側へと案内する。

「病院がたくさん?」

「総合病院が作れなかったから、個別の医院になるけどそれでも治療は出来ると思うよ、男の子はこっちに行こうか。

カスミちゃん、女の子達は遊園地でも行ってもらっていいかな?」

「ゴウ兄さん、私達も行きますよ?」

「お願い、男の子達の気持ちも考えてあげてよ。」

「あっ、そ、そうだよね、みんな遊園地に行こうか。」

カスミはみんなを連れて遊園地へと向かう・・・


「ククリさんも遊園地に向かってもらっていいかな?」

「私はゴウ様について行きますよ。」

「お願いします、流石にこの子達が可哀想です。」

男子達もコクコクと頷く、同級生だけではない、他の女の子にも知られたく無い事なのである。


「しかし、ゴウ様の護衛たる私が離れる訳にはいきません。

ゴウ様に何かあれば私は悔やみきれない事でしょう、どうかお側におかせてくださいませ。」

ククリからは断固たる決意を感じ俺は折れるしか無かった。


「うう、美少女に見られながら泌尿器科に来るなんて・・・」

「大丈夫、この子は受付で待ってるから診察を受けてください。」

俺はロビーに入り受付を済ませたあと、男の子達を診察室に向かうように伝える。


「あれ?ゴウさんが見てくれるんじゃ?」

「俺は医療の知識は無いからね、見てくれるのはラクーンだよ。」

「ラクーンってあの着ぐるみの?」

「そう、何故かスタッフ全てがラクーンなんだよね、でも日本の一般医院の医療は身に付いているみたいだから安心して。」

「ゴウさんを疑う訳じゃ無いですけど。

・・・俺達これからラクーンに股間をさらけ出すんですか?」

「見たくない絵面だな。」

「ゴウさん他人事だと思って!」

「他人事だからね、これにこりたら大人のお店には気をつけなさい。」

「・・・はい。」

男の子達はトボトボと診察室へと歩いていくのであった・・・

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