第304話 病院

翌日、俺達は船に乗り再びトーアに向う。

「ゴウさん、同級生の為にすみません。」

ナオコはあらためて謝罪する。

王都を離れ魔王国に向かったばかりのゴウに再び帰ってもらうことに申し訳無い気持ちでいっぱいだった。

「病気は仕方無いよ。」

「病気と言っても、性病なんて・・・」

「まあ、同じ男としてはわからなくも無い、親元を離れて少しタガが外れたんだろ。」

「男の人は我慢出来なくなるって聞きますけどゴウさんもそうなんですか?」

「へっ、いやまあそうだね、男というのは仕方無いものと思って見逃してくれないかな?」


ナオコに指摘されて思うが最近ムラムラすることが少ない気がする、これも歳を取ったということかも知れない、思わぬ所で年齢を自覚してしまうのだった。


「ゴウさんもなら仕方無いのかな?」

「まあ、中高生ぐらいが一番我慢出来ない時期だからね、病気になった事で蔑んだりするのは止めてあげてほしいかな?」

「わかりました、他の子達にも伝えておきます。」


俺としては男の子達の気持ちもよくわかる、この世界の風俗は親の借金で売られてくる子も多く、若く可愛い子も多い、誘われるままに流されてしまう子が出ても仕方無い気がする。


その後、トーアに着いた俺は遊園地の反対側の空いている土地に病院街を作り、闘病用にホテルも数棟建てる。

「これが病院ですか?」

「ええ、各種病院を作りました、あっ、案内所もあった方が良いですね。

さてどうしようか・・・」

総合病院と違い個人の判断で病院を選ぶ必要がある、泌尿器科と言われても何を見てくれるかわからないのが問題となるのが見えていた。


「ゴウさん、私の同級生にここの案内所を頼むのはどうでしょう?」

「同級生に?」

「はい、私達ならある程度は医院の意味もわかりますし、少し勉強すれば多少の案内はできるんじゃないかと。」

「たしかに現地の人に頼むより早いかも知れない。」

「はい、私達としてもゴウさんのお役に立つ事が出来ればと思います。」

「それじゃあお願いする事にするけど、希望者だけで良いから、王都に住む事を望む人とは離れる事になるけど大丈夫?」

「離れると言っても電車に乗ればすぐですよ。」

「それもそうか。

それじゃあ、王都に行こうか。」

各種病院を作ったあと俺達は王都へと向かうのだった。

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