第301話 ナオコ到着
「ナオコ!!」
降りてきたナオコを見てカスミは駆け寄る。
「カスミ!なんで此処に?」
「なんで此処には私の台詞よ、何かあったの?」
「有ったと言えばあったんだけど・・・」
「うん?」
「ゴウさんに直接伝えるわ。」
ナオコは後ろにいる俺をじっと見つめる。
「俺が聞いたほうがいい話かな?」
「お願いします、情けない話ではあるんですけど・・・」
「情けない話?」
「はい、男子の一部が、その大人のお店に行って病気になったかも知れないんです。」
「大人のお店?
・・・ああ、そういう事か、たしかに興味が出るお年ごろだからな。」
「恥ずかしい話です、ですがどうも梅毒が流行っているそうなので、みんなに不安が拡がっているんです。」
「梅毒か・・・
いや、素人判断は危険だな、それを確定させる為にも病院が欲しいけど。」
俺は建築出来る物の一覧を確認していく。
交通機関を使用する人達が増えている事により、作れる物もかなり増えており俺自身も把握出来ていない、牧場や農園、ワイナリー、日本庭園、極めつけは城まで現れていた。
「あった!医院が建てれる。」
「病院も建てれるの!」
「作れるようになってる!えーと泌尿器科でいいんだっけ?」
「えーと、何科になるんだろ?産婦人科?」
カスミにしても性病が何科か聞かれてもすぐに答える事は出来ない。
「一応泌尿器科の医院を作ってみるか。」
俺は王都近郊に作ろうとするのだが、既に周辺は開発が進み店などが立ち並んでおり、作るスペースが無い。
「ちょっと離れた所に作るしか無いか、ルートさんトーアに少し場所を貰ってもいいかな?」
「御存分にお使いください。」
俺はルートに確認して、駅裏に医院を作る。
裏に作ったのは表に遊園地などの華やかな施設がある為に通いにくくならないように配慮したのだ。
「ナオコさん、病院を作ったから感染しているかどうか治療も含めて確認しようか。」
「ゴウさん、出来たら他の内科や産婦人科の医院も作れませんか?」
「えーと、うん作れるね。」
「お願いします、これから住んでいくと必要になる時が来ると思うんです。」
「そうだね、日本と同じ病院の環境が有るか無いかは重大な問題だな。
ありがとう、何か抜け落ちてる事があればいつでも教えて欲しい。」
「いえ、そんなお世話になっているのにあまり図々しい事は・・・」
「気にしないでいいよ、このチカラはたまたま授かっただけだし、みんなの生活の役に立てばいいよ。
それにナオコさんはカスミちゃんの親友と聞いているからね。
何か困った事があればチカラになるから。
あっ、そうだ。
これはナオコさん専用のフリーパスのチケット、車両と船とかの交通機関を自由に使えるように設定しているから、いつでも自由に使って。」
「いいんですか!」
「かまわない、カスミちゃんは俺と一緒に動いているから少し離れ離れになるからね、いつでも会いに来れるようにはしてあげたいと思っているよ。」
ナオコは思わぬ待遇に目を丸くしていた。
「ナオコさん、私をゴウさんに紹介してもらえないだろうか?」
俺とナオコの話が一段落したことを感じたのか、後ろに立っていたマーサがナオコに声をかけていた。
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