第300話 チケット使用?

「あれ?チケットが使われてる?」

「ゴウ兄どうしたの?」

「いや、マナブくんに預けていたチケットが使われてこっちに向かって来ているみたいなんだ。」

「そんな事がわかるの?」

「船が一便増えた事によって、アラームが出てたんだ。」

「船が一便増えた?」

「船はそれほど多く出てないからね、至急の時に備えて臨時便が出るようにしてたんだ。」

「じゃあ、マナブくん達に何か合ったって事?」

「そうかも知れない、シーモに向かっているみたいだからちょっと行ってみようか。」

俺達は向かって来ているマナブ達に会うためにシーモへと向う。


「しかし、シーモにも人族が増えたね。」

シーモに着いた俺達はジョージア王国から訪れる人族の数が目に入る。

「結構来てますね、シーモの温泉が評判になっているみたいです。」

ククリが答えてくれる。

「トラブルとか起きていない?」

「今のところは大きな事は起きていません。

一応両国の取り決めでその国の法に従うことになっていますので、どのような者も同様に処理するようにするつもりです。」

「俺からは何か言うつもりは無いから、俺に気を遣う必要は無いからね。」

「ありがとうございます。

ですが擁護したい方がいれば一言おかけください。」

「わかりました。

おっと、船が着たようです。」


俺達が話している中、船が到着する。

「ゴウ様、あの船なのですね?」

ククリが手をあげると周囲の兵が動き出し、警戒および何かあった時に備えて救護の準備を始めていた。

「ククリさん?」

「もしもの為です、チケットを奪われているならそれに備える必要があると思いますし、ケガをしているかもしれません。」

「暴力的な事は出来ないはずだけど、たしかに何があるかわからないから準備をしておくことは大事だよね。

ありがとうククリさん。」

「いえ、当然の事です。

私はゴウ様を支える為にお側に控えているのですから。」

ククリは当然のように言うが俺は警戒すらしていなかった、それどころかチケットが奪われた時の事を考えてもいなかったのは失敗である。


たしかにマナブくんが使っているとは限らないな。


俺はあらためて自分の警戒心の無さを痛感するのだった。

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