第295話 流行・・・

ゴウ達が旅立った後、マナブは同級生達にアンケートを取り性交渉を行ったか確認していた。


「マナブ、大丈夫だって、俺達まだ中学生だぜ、そんな店に行く奴なんていねえよ。」

マナブに尋ねられたハジメは軽い気持ちで答えていた。


「万が一があるだろ、無いならそれで良いんだ。」

「そんなに流行っているのか?」


「かなり出ているという噂だ。」

「まあ、ゴムもあるし、大丈夫だろ?」

「もう一度みんなに周知しておくよ。」

「心配しすぎだって。」 

「お前は性病の怖さを知らないのか?」

「怖さって、そりゃマズイぐらいは知ってるよ。」

「今流行っているのは梅毒らしい。」

「あー、日本でも流行ってたよな。」

「確かに最近増えていたそうだが、日本ならまだ良いんだ、だがここは異世界だぞ、簡単に治るとは限らない。

調べたところ、治療方は見つかっていないそうだ。」

「へっ?治らないの?」

「治らない、だからこそ危険を理解する必要があるんだ。

女子達にもナオコさんから厳しく言ってもらっている。」

「なぁ、感染したらどうなるんだ?」

「たしか鼻がもげるとか聞いた事があるな、最悪死に至る。」

「鼻が・・・」

「くれぐれも軽挙な事をするなよ。」

ハジメに釘を刺すのだが・・・


「・・・マナブ、どうしよう。」

「なにがだ?

・・・って、まさか?」

「大人のお店をちょっとだけ体験しに・・・」


「おい、ゴムは使ったんだろ?なあ?」

「・・・ゴム買うのって恥ずかしいじゃん、店員同級生の女子だし。」

「お前は・・・」

マナブは頭を痛そうに抑える。


「だってよ、興味あるじゃん、異世界に来てモテモテは無理でも気分ぐらいは味わいたいだろ。」

「そんな事で身を滅ぼす気か?」

「だって知らなかったんだって、お店で性病になるなんて思ってないし。」

「兎に角対応を検討する、それまでハジメは部屋で待機しとけよ。」

「なあ大丈夫だよな?感染してないよな?」

「わからない、俺からはなんとも言えない、兎に角大人しくしておけ。」

「頼むよ、俺は鼻が落ちるなんて聞いてないよ!」

「まったく勉強不足だ、性病を侮っているからそんな事になるんだ。

それより、対策を考える、じゃあな。」

「頼んだぞ!!」

ハジメは祈るようにマナブを見送るのだった・・・

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