第289話 マナブの懸念
「ルートさん、追放されたリュウタにも訓練を受けさす事は出来ますか?」
マナブは先生をしているルートに相談を持ちかける、ルートはいつも親切であり、様々な悩みにも真摯に対応してくれていた、今回の件についても何らかの手配を期待していたのだが・・・
「マナブくん、君と追放された者が知人というのは知っている、だが間接的にとはいえ、ゴウ様を狙った者に剣を教えるつもりは無い。」
「ルートさんが直接教えなくても何らかの手段で教えることは?」
「有ったとしても私が阻止する、ゴウ様の危害になりかねない事に私は手を貸すつもりは無い。」
「ゴウさんに危害を加える気はありません!」
「わからないだろ、そもそもゴウ様の暗殺計画に参加していた可能性がある男だ、そのような者は信用に足りん。」
マナブの相談をルートは拒否する、ルートからしたらマナブ達に教えているのはゴウの頼みだからであり、ゴウに危害を加える事を望んではいないのだ。
ルートから否定されたマナブはどうにか出来ないものかと一度リュウタに会いに行くのだが・・・
「はぁ?俺はもう戻らねぇよ。」
マナブがリュウタの泊まる宿に出向いたのだがリュウタはだらし無い笑顔を見せていた。
「リュウタ、ゴウさんは優しいから理由を説明して謝罪したら許してくれるかも知れない。」
「あんな奴に謝る気なんてねえよ!」
「リュウタ、意地を張るなよ。」
「意地じゃねえよ、ここはいい場所だぞ。」
リュウタは店員の女性に手を振りながら答える。
「リュウタ、巫山戯てないで真面目に話を聞けよ。」
「うるせぇなぁ、ガキは黙ってろよ。」
「ガキ?」
「そうだよ、青臭い話はもう良いんだ、俺はこれから冒険者として成り上がるんだからな。」
「その為にも訓練を受けるべきだ。」
「うるせぇって言ってんだよ、実戦を経験した俺に訓練なんて必要無いんだよ。」
「リュウタ・・・」
「帰れ帰れ、俺は忙しいんだよ!」
リュウタはマナブを邪魔そうに追い払い!マナブもまた仕方無く帰っていく・・・
「はぁ、リュウタは自分でなんとか出来るのか・・・」
リュウタの言葉を信じれば、なんとかなるのだろうが、マナブの不安な気持ちが晴れることは無かった。
「しかし、妙に股間をかいていたけど、あんなクセあったか?」
別の疑問も頭に浮かんでいたのだが、個人のクセという事もあり、それ以上深く考えることは無かった。
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