第281話 大捕物
「イタッ!なに?」
リエは首筋に痛みを感じ振り返ると其処には黒装束で身を固めた男の姿が見える、リエは反射的にナイフを投げ男に命中させる。
「誰、誰が私に・・・」
黒装束の男は倒したものの、身体が痺れてきて動きにくくなってくる。
「な、こ、これは・・・」
動けなくなりつつある自分に恐怖を覚える、急いでこの場を離れなければと痺れる身体を押して動こうとするのだが・・・
「いたぞ!逃がすな!」
森に伏していた警備隊がリエの姿を確認している捕まえようと近づいてくる。
「なっ!警備隊!」
「連続殺人の疑いで逮捕させてもらう!神妙に縛につけ!」
「えっ?」
リエの表情が青くなる、これまでの殺人がバレている、それだけでも不味いのに、逃げようと思っても身体が動かない、このままでは自分が捕まってしまう。
「何かの間違いよ!」
咄嗟に声をあげる。
「何を言う!今この場にいるのは古の魔法使いゴウ様の暗殺を企てていた事は既に調べがついている、他の余罪については捕まえてから追及させてもらうが、ゴウ様の暗殺未遂だけでも充分に死罪となる罪だ!」
「ゴウなんて知らないわ!」
「白々しい!もはや問答無用、全員絶対に逃がすな!」
警備隊は逃さないようにと周囲を囲み盾を構えながら少しずつ近づいてくる。
「よらないで!!」
リエはスキル投げるを使い近づいてくる警備隊を一人また一人と仕留めていく。
「気をつけろ、盾をしっかり構えるんだ!」
警備隊は盾で顔を隠し、一歩ずつリエに近づいていく。
そしてリエも段々と痺れ薬が効いて身体の動きが更に悪くなり、ナイフを投げる間隔も次第に遅くなって行く・・・
「捕まえたぞ!」
「腕を押さえろ!」
遂に一人の警備兵がリエの腕を掴む事に成功、それに伴い一気にリエを拘束していく。
「止めて!離してよ!誰か助けて!」
リエの叫びが木霊するが誰も助けに来ない・・・
「くそっ!良くもまあこれだけ抵抗してくれたな・・・」
警備隊隊長が振り返ると死者8名、怪我をした者は12名とリエの抵抗の激しさが見て取れた。
「離して!離しなさい!」
リエは動かない身体を必死に動かし未だに抵抗を止めない。
そして、太ももに隠してあった一本の針に触れるとスキル投げるを使い、隊長の頭に突き刺す。
「隊長!!この女、良くも隊長を!!」
既に縄に縛られ抵抗できないと思われたリエの攻撃に隊長は命を落としてしまう、そして部下達は隊長の死を嘆くとともにリエに対して怒りをぶつける。
「おい、この女を裸にして武器を全て取り上げろ!」
「いや、止めなさい!止めてよ!」
「黙れ、よくも隊長を殺してくれたな!」
リエは服を引き千切られ、隠していた物を全て取り上げられる。
「よくもまあこれだけの物を隠してやがったな・・・」
太ももに複数の針、腰にナイフ、靴、靴下に至るまで何らかの尖った物を隠し持っていたのだ。
「くそっ、もういいでしょ!服を着せなさい!!」
「お前に渡す服などあるか!そのまま連行する!」
「ま、まって、このままって!私は裸にされたのよ!」
「知るか!お前のような犯罪者に配慮などいらん!おい連行しろ!」
「止めて!止めてよ!いやよ!いやぁーーー!!」
リエは裸のまま縛られ警備隊の詰め所へと連行される、その淫靡な姿は多くの目に止まり、助平な男達の目の保養となるとともに王都中の噂となるのであった・・・
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