第279話 報告
「ミユキさん少しいいかな?」
「ゴウさんどうかしましたか?」
「ちょっと話があってね、今時間いいかな?」
「ええ、大丈夫ですけど・・・」
深刻そうな俺の表情を見た為か、ミユキも不安そうな表情を浮かべる。
「実はね、リエさんが殺人の容疑者になっているみたいなんです。」
「リエが殺人!」
「はい、今マナブくんから聞いたのですが警備隊がリエさんを容疑者として探しているそうです。」
「そんなリエが殺人なんて・・・」
ミユキは信じられないと思いつつもゴウと会った時にリエが行った行為は一歩間違えれゴウが死んでいてもおかしくない行為であった。
「リエさんのチカラなら、他の人より強いからね、やろうと思えばやれるとは考えられるよ。」
「でも、リエは優しい人なんです、ゴウさんには私が傷つけられていると勘違いしてしまってから攻撃してしまったみたいですが・・・」
「攻撃された俺としてはリエさんを信じる事は出来ないからね。
ただ、警備隊が動いている以上何らかの動きがあると思う、友人のミユキさんには知らせておこうと思ったんだ。」
「ありがとうございます・・・
ゴウさん、リエはもう駄目なんでしょうか?」
「それはわからない、でも殺人が本当ならそれなりの罪を償う必要がある。」
「間違いという事は無いのでしょうか?」
「それもわからない、一応ジョージア王国にも適正な取調べが行われるように依頼しておこうとは思うけど、その罪過について口を挟むつもりは無いよ。」
「わかってます、もし殺人をしたというなら、その被害者に償う事はもう出来ませんし・・・
・・・ああ、何でこんな事に・・・」
泣き崩れるミユキを優しく抱きしめるのであった。
「ふーん、ゴウが駅に戻って来ているのね。」
リエは自分が指名手配されていることも知らず、リュウタが闇ギルドに所属する酒場を経由した連絡を受けていた。
「これを駅にいるリュウタって男に渡してもらえる?」
リエは伝言を伝えに来た闇ギルドの者に金と手紙を渡す。
手紙には指定した時間と場所にゴウを誘き出すように書かれていた。
「・・・」
「ふん、無愛想な男ね。」
受け取るだけで何も話さない男にリエは不満そうに声をかける。
そして、立ち去る男を見送る事もなく、自分の拠点としている遺跡へと帰るのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます