第278話 大事な話

「ククリさん、話の途中でごめん。

カスミちゃん部屋に入るときはノックぐらいしなさい。」

「はーい、わかりました。

ってそれどころじゃないんです。

マナブくんが至急話したい事があるって。」

「マナブくんが至急?なんだろう?

ククリさん話は後で良いかな?」

「はい、また夜にでも・・・というか夜のほうが良いといいますか。」

「それじゃあまた夜に話しましょう。

カスミちゃん、マナブくんの所に案内して。」

「・・・夜?

まあその事は後で確認するけど、マナブくんはこっちで待ってるからついてきて。」

俺はカスミの後を追い別室て待つマナブの所に向かう、少し遅れてククリもついてくるのだった。


「マナブくん、至急に話ってなに?」

「ゴウさん、リエさんについてなのですが・・・

ミユキさんは?」

「ミユキさんは部屋にいると思うけど。」

「それはよかった、まずはゴウさんに聞いて貰って判断して貰えればと思いまして。」

「なんだろう?」

「リエさんに近々指名手配が出るみたいです。」

「えっ?指名手配?」

「はい、近隣の森で多くの人が殺害されている事件が起きていたのですが、その容疑者としてリエさんが浮かんで来ているようです。」

「殺害、穏やかな話では無いね、その情報は何処から?」

「近くの飲み屋で働いている同級生が警備隊の人から聞いた話です。」

「信憑性はあるのかな?」

「あると思います、他の店でもリエさんの行方を聞いている警備隊を目撃情報しています。」

「やっていないと信じたいけど・・・」

「リエさんは金払いが良いって、何人か交流のある子達が言っていました。

ただその子達が言うにはゴウさんの動向を探っている感じがしたとの事です。

その時はゴウサンが不在でしたので不在と伝えるだけだったようですが、ゴウさんが狙われている可能性もあります。

くれぐれもお気をつけて。」


「わかった、ありがとう。

なるべく施設から出ないようにしておくよ。」

「いえ、何かわかればまたご連絡します。」

「本当に助かったよ、リエさんの能力で密かに狙われたらどうしようも無いからね。」

「それ程危険なのですか?」

「神に貰った能力は伊達じゃないね、以前はなんとか躱せたけど次も躱せるとは限らないから。」

「それでミユキさんにはお伝えしますか?」

「・・・俺から知らせるよ。」

俺はミユキが傷つく事はわかっているが知らせない訳にはいかない、マナブと別れミユキの部屋へと向かうのであった・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る