第265話 トーアに帰る

ジョージア王国に帰るとルート領に作った遊園地を始め、多くの施設が大盛況となっていた。

「これがトーアなのか・・・」

多くの人が訪れ、その全員笑顔が溢れている姿に領主でもあるルートは嬉しさから涙が浮かぶ。


「大盛況ですね、作った甲斐があったという物です。」

多くの人が笑顔で楽しんでいる姿は微笑ましいものだったのだ。

「ゴウ様のお陰にございます。

どのように御礼をすれば良いか・・・」

「気にしないで良いですよ、元々私が滞在している所を発展させない為に身代わりになってもらったような物ですから。

まあ、強いて言うなら末永く善政をしてみんなの笑顔を守ってください。」

「ゴウ様のお言葉、肝に命じます。」

ルートは深々と頭を下げる。


「まあこれからは魔王国との交易も始めるはずですので、今後は商売も考えた政治が大事になると思います。」


「ゴウ様のおチカラが凄いことは知っておりますが、お作りになられる物に限界はあるのでしょうか?」

アリサはこれまでの旅の中で様々な物を作り出していくゴウの限界が気になる。


「限界はわかりません。

少なくとも維持できないという事は無いですね。」

「そうなんですね。」

今も駅には電車が運行されており、ゴウが長い間離れていても問題無く稼働していた様子だった。


「ゴウ様、私事で時間を取ってしまい申し訳ありません、さあ王都に帰りましょう。」

ルートは涙を拭い出発を促す。


「アリサさん、王都に帰るのは急ぎますか?

船旅の後です一日ぐらいゆっくり休みたいと思うのですが?」

「はい、急ぐ事はありません。

ゴウ様が望まれるなら一日ゆっくり休んでも良いと思いますよ。」

「ありがとうございます。

という事で一日休みたいと思います、出発は明後日の朝という事にします。」

「ゴウ様、ありがとうございます。」

ルートは深く頭を下げる。


「いやいや、一日休むのは私の都合ですから、ルートさんが頭を下げる必要はありませんよ。

さあ、そうと決まれば宿に向かいましょう。」

「あっ、でもこれだけの訪問客がいて今から宿が取れるのでしょうか?」

本来事前に宿を抑える必要があるのだが船旅から帰ったばかりの自分達は宿を用意していない事に気付く。


「大丈夫です、無ければ作れば良いんです。」

俺は少し離れた空いている土地にホテルを作る。

「発想が違いますわ・・・」

アリサから呆れたように声が聞こえたのだが気の所為と言うことにしてゆっくり休む為にホテルへと向かうのであった。

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