第261話 記憶の無い朝

「おはようございます♡」

目が覚めるとそこには知らない天井であった・・・

隣にはミユキの顔がアップに・・・

しかも、布団の外に見えるミユキの肩口は肌色にしか見えない・・・


「あ、あれ?ミユキさん?なんでベッドに?」

「あれ?覚えてません?

昨日、あんなに・・・」

「ま、まって!あれ?おれ何かしちゃった?

え、えーと、昨日は・・・」

俺は昨日の記憶を呼び起こす。


たしか昨日は飲み屋でウォルフや魔族の人達と飲んでて・・・


昨夜・・・

「ゴウさん、帰りますよ〜」

「もう飲めな〜〜い。」

「はいはい、歩けますか?」

「む〜〜〜り〜〜〜」


「すいません、ゴウ様に飲ませ過ぎてしまいまして。」

ウォルフを始めロマネや魔族達も頭を下げる、ゴウと飲めるという栄誉に魔族達は入れ代わり立ち代わり店を訪れ、ゴウと酒坏を交わす。

必然的にゴウの酒量は増えて、酔っぱらいが完成。

それでもゴウが入れば無料なうえ、ゴウと一緒に飲みたい魔族は次々と店を訪れ閉店まで滞在していた。


「ミユキ様、御屋敷にご連絡致します。

すぐに馬車をご用意しますので少しお待ちください。」

「大丈夫です。」

ミユキが手をあげると店員のラクーンがやってくる。

「ゴウさんを近くのホテルに連れて行ってもらえますか?」

ラクーンはコクコクと頷く。

そして、多数のラクーンが集まりゴウを担ぎ上げる、そして駅にあるホテルへと・・・


「それでは皆さん失礼致します、これからもゴウさんの事をよろしくお願いします。」

ミユキは礼を言うとラクーンとともにホテルへと消えていくのであった。


「さて、ゴウさん。

ホテルにつきましたよ。」

「ぐぅ、ぐぅ・・・」

「あらあら、寝ちゃっていますね・・・

ほら、お着替えしましょうね。」

ミユキはゴウの服を脱がせ、部屋にあったバスローブへと着替えさせるのだが・・・


「ふふん♪ゴウさん、無防備なワンちゃんは食べられちゃいますよ。」

バスローブを着せる前に獰猛な獣に味見されるのだった。



・・・


「だめだ、何も覚えてない。

ごめん、ミユキさん何も覚えてないんだ。」

「ふふ、大丈夫ですよ、最後まではしてませんから。」

「あ、よかった、俺が酔って手を出したのかと・・・」

「手は出されてないですが別の物なら、少々・・・」

ミユキは蠱惑的に舌をペロリと舐める。


「えっ・・・」

「アヤカちゃんやカスミちゃんの前で出す訳にはいきませんからね。

溜まっていた物は美味しく頂きました。

今度は酔ってない時にこちらにご馳走してくださいね。」

ミユキは自分のお腹を擦りながら、俺の頬にキスをするのであった。

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