第260話 飲み会
「これは美味しい!いやビールもだがこの食事!味付けがわからないがピリッとくる辛さがいい。」
「胡椒だね、鳥を揚げて塩胡椒で味付けしてるんだと思うよ。」
「いや、実に酒に合います。」
「たまに飲むのは良いよね〜」
ミユキにしてもカスミにしてもましてやアヤカのような学生と飲むわけには行かない、飲みに行く機会は少ないのだが、元々友人や同僚達と居酒屋に行くのが好きなのだ、この雑多な雰囲気が楽しいのだ。
「ゴウ様、少し聞いてもよろしいかな?」
ヒゲの生えた少し小さなおじさんが声をかけてくる。
「ええ、良いですよ?」
「この酒が剣神様達が飲まれていたというのは本当ですか?」
「ええ、本当ですよ、まあ銘柄は少し違うかも知れませんけど・・・あっ、あった、これはリョウも飲んでた地元の酒だ、ちょっと飲んでみる?」
「いいのですか?」
「ええ、おーい、梅錦一つ〜」
俺は地元で造られている日本酒を注文する。
「こ、これが主神様がお飲みになられた酒ですか?」
「そうだよ、リョウだけじゃなくてアキラさんも飲んでたよ。」
「武神様までもが!」
「そうだよ、まあ高い物でも無いからね。
まあ飲んでみてよ。」
俺は小さいおじさんの酒坏に注ぐ。
「そうだ、おじさんの名前は?」
「失礼しました、私はドワーフのロマネと申します。」
「そうですか、ロマネさんとの出会いに感謝を。」
「光栄です!」
ロマネは恭しく酒坏を掲げる。
そして、一口飲むと・・・
「おお、フルーティな薫りにピリッとした後味、スッキリとした味わいですな。」
「自分には慣れた味ですからね。」
俺もグビッと飲む。
「ゴウさん、それほど美味しいなら私もいただいてよろしいですか?」
「ええウォルフさんもどうぞ。」
俺はウォルフにも注ぐ。
「水のように透明なのに、飲むと花のような香り、そしてふくよかな味わいですね。」
「私は味に詳しくないので何と言えばいいかわかりませんが美味いものは美味いでいいと思います。」
「こっちにも梅錦!」
「おらにもくれ!」
俺達の会話を聞いていた魔族達が次々にと注文する。
「さあ飲むぞ〜〜〜」
俺も負けずに飲み始める・・・
「日本酒を早いペースで飲んだら、すぐに潰れちゃいますよ。
・・・って聞いてないですね。」
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