第243話 ルデンに帰還

ルデンで軍の準備が進む最中、駅に列車が到着する。

「ゴウ様かもしれません、私が出迎えます。」

クロエは足早に駅に向かうのだが、列車から出てきたのはよろよろと腕を失った兄ハーツとそれを支えながらプレザだった。


「お兄様!!」

クロエはハーツに駆け寄る。

「おお、クロエ無事だったのか・・・」

「お兄様こそ、そのお姿はいったい・・・」

「魔王軍にやられてしまった・・・

奴等は卑怯にも我等を罠にはめ・・・

くっ!」

「お兄様、それよりまずは城でお休みください。詳しくはお身体を癒したあとでも。」

「すまない・・・」

「早く馬車へ。」

クロエはハーツを連れ馬車へ。


「その前にクロエ、プレザを覚えているか?」

「プレザさんですか?お兄様のご友人でしたと記憶しております、随分前に冒険者になるとかおっしゃっていたと思いますが?」

「そうだ、そのプレザが私の為に帰って来たのだ。

プレザ、クロエに挨拶をするのだ。」

「クロエ様、お久しぶりにございます。

不肖プレザ国難の危機に尽力しようとしましたが・・・」

「プレザ、お前はよくやってくれている、他の奴等は降ったまま私を邪魔者のように扱ったが、お前だけは私を支えルデンまで一緒に来てくれたじゃないか。」

「そうでしたか、よく、兄ハーツを連れ帰ってくれました。

お父様に上申し、褒美を授ける事になるでしょう。」

「クロエ違うぞ。

私はプレザをお前の夫として迎え入れたいと思っている。」

「えっ?お兄様何をおっしゃっているのですか?」

「王太子として今後の国を思えばこその判断だ、父上もきっと納得してくれるだろう。」

「お兄様、お待ち下さい。」

「クロエ、少々疲れた、城にいそいでくれないか。」

「・・・はい。

城へ向かってください。」

クロエは否定しようとするのだがハーツの体調を思えば城に早く向かうしかない。


馬車に、ハーツとハーツが連れ込んだプレザを乗せて城へと帰還する。


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