第242話 ハーツの末路

ワンスキーの来訪を歓迎する一方、ハーツの刑は実行されていた。


「や、やめろ・・・何をするんだ!やめてくれ!」

「おい、舌を噛み切らないように縄を噛ませろ。」

「ゴボッ!ひゃひゃめろ!」

ズボンを脱ぎされ両足を固定されながらも身をよじり僅かながらの抵抗をみせる。


「よく見ておけよ、お前の息子の最後の姿だからな。」

執行官はハーツの髪を掴み無理やりハーツにこれから切り落とされる物を見せつける。

「ふっ!ひゃら!ひゃめて!ひゃら!!」

縄を噛まされているため声も出ない、だかこのままでは自分の大事な物が失われてしまう、必死の抵抗をみせるのだが・・・


「さっさとやれ、腕も切らないといけないんだからな。」

「わりぃわりぃ、後がつかえていたな。

残念だ、ゆっくりといたぶって犯した罪をわからせてやりたかったのにな!」

他の執行官に声をかけられ、刑が執行される事になる。


「ひゃめろ!!ぎゃはぁ!」

無慈悲に切り落とされる。


「おっと死ぬと不味いからな、ちゃんとポーションをかけてと。」

ポーションを局部にかけられ傷口は塞がるのだが失った一部が戻ることが無かった。


「じゃあ、貰っていくぜ。

次は右腕だからな。」

執行官達の手によってその日のうちに両腕が切り落とされる。

命こそ助かっているものの、王家の血が残す事が出来なくなり、両腕も失ったハーツは号泣して日々を過ごすのだった・・・


「魔王クーラ殿に伺いたい、ハーツ殿下はどうなるのでしょうか?」

ワンスキーは王太子であるハーツの身を案じていた。

「残念だが、無事に帰す訳にはいかないが命を取らぬ、ゴウ様の恩情だ。」

「命を助けていただけるのですか?」

「命だけだ、王族としては終わってもらう。」

「王族として終わる?」

「停戦の条件が王族追放だったからな、それ以下で許すつもりは無い。

ハーツは王族としても人としても終わらせる。

命を取らないだけだ。」

「いったいどのような事に?」

「物と腕を落とすだけだ。」

「えっ、いやそれだとラニアン王国は受け入れられないのでは?」

「ラニアン王国はどうでもいい、納得せぬなら戦で決着をつければいい。」

「・・・せめてもの情けで、ルデンにハーツ殿下を送ってもらえないでしょうか?」

「わかった、その程度は許可しようではないか。」

ワンスキーは降ったとはいえ、ラニアン王国に長年仕えていた身である、せめてもの情けでハーツの身を案じ、その身を王国に送り届ける事を最後の奉公として願い出るのであった。

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