第231話 戦の準備

「魔王様、ラニアン王国の使者を間違い無く帰国させました。」

ルートはあらためて魔王に報告する。

報告することで自分達ジョージア王国とラニアン王国の立ち位置は違うとアピールしていた。


「お手数をかけた、ジョージア王国がラニアン王国と関係が無い事は、よく理解した。」

「クーラさん、魔王軍はどう動くか聞いてもいいかな?」

ルートを連れて城に来ていた俺はクーラに質問する。


「ポメの町にハーツがいますのでそこを落とそうと思います。」

「なるべく住民に被害が出ないようにお願いします。」

「先に降伏勧告をいたしましょう。

ですが、魔族の我々にに降るかどうかは相手次第といった所です。」

「無理を言ってすみません、ですのでなるべく協力したいと思います。」 

「協力ですか?」

「はい、移動手段と安全な拠点、それと食料を提供します。」

「おお、それはゴウ様のおチカラで生み出す乗り物や施設ですな!」

「ええ、役に立つと思います。」

「いや素晴らしい!創造神様と同じようなチカラと聞く、是非私も体験したいと思います。」

「体験って、もしかして?」

「ゴウ様のおチカラを体験する為に私自ら出陣致しましょう。」

「いやいや、魔王自らって危険でしょう。」

「王というのは前に立たねば付き従う者に示しがつきません。

ましてや魔王の肩書を持つ身です、たまには武勇を示すのも良い事でしょう。

皆、聞いたな!私はポメに出陣する、我とともに向かう者はすぐに準備をせよ。」

クーラは同席する重臣達に声をかけるの。


「ゴウ様も出陣なさるのてすか?」

「えっ?俺?

そりゃ無理を言っている身だから戦に参加はしないけどポメの町までは一緒に行こうと思う。」


「・・・少々お待ち下さい、我が部族にも知らせてやらねばなりません。」

「遅れるなら後から来るとよろしい!ゴウ様と同行するのはこの妖狐族である。」

「何を言う!鬼族もすぐに出立出来る!

さあゴウ様参りましょう!」

「まて!河童族はすでにポメに向かっている、ゴウ様どうか我等にともに戦うご許可を!」

重臣達が参戦を口にする。


「クーラさん、これはいったい・・・」

「皆も剣神様の御親族であられるゴウ様とともに戦いたいのでしょう。

なに私も同じ気持ちですからね。

さあ、遅れる者は知らんぞ、準備があるなら早くするのだ。」

重臣達はクーラの言葉に我先にと準備に向かうのだった。

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