第229話 交渉終了

ローズが暴れる為にロープで縛り軟禁状態にしてラニアン王国に送り返す事になる。

ルートが部下を使いルデンまで送り届ける事になっていた。


「離せ!私はまだやることがあるのだ!」

縛られながらもローズは叫び続ける。


「諦めろ、ゴウ様を侮辱した以上お前達に未来は無い、あとは国が滅ぶのを眺めているがいい。」

「なんだと!ラニアン王国は永遠だ!

貴様らに何がわかる!」

「わかるも何も魔王に滅ぼされかけておいて、交渉であんな失態をしたらなぁ・・・」

「こんな奴を使者に任じた奴の頭を疑うよ。」

ルートの部下達はルートとともに外交に行くことも多い、他国で、しかも自国が不利な場合に強気で出ればどうなるか、バカでもわかると思っていたが目の前の女はそれ以下ということがわかる・・・


「貴様ら、この私を侮辱する気か!

この最年少で姫様の護衛騎士に任じられ、今また最年少外交官に任じられた、才女と名高いこの私を!!」


「えっ?才女?嘘だろ?」

「あ、あれだ脳筋で頭に栄養が回っていないだけだ。」

ローズの言葉に多少動揺が走る、この女が才女とは・・・

もし頭脳の面で才女だった場合、ラニアン国の知能はいかなるものなのだと。


「落ち着いて、この女が言っているだけだ。

それよりこの女を確実にラニアン王国に送り返せ。

愚者とはいえ一応は外交官だ。

何か有った場合、ゴウ様の面子を潰す事になりかねん。」

「わかっております。」

「まあ、ゴウ様の列車だ、そうそう何かあるとは思えんが・・・

それとお前達も城には向かうなよ、人質に取られる可能性がある。」

「私達を人質に取っても大したことにはならないと思いますがね。」

「追い詰められた奴は何をするかわからん、そんなくだらない事で大事な部下を失うなどあり得ない。」

「ルート様、それほどまでに俺達を・・・」

「お前達を育てるのにも時間がかかるからな、失えば勿体無い、お前達は死ぬまで扱き使ってやるから安心して職務に励め。」

「ひでぇよ、鬼がいるよ!」

ルートも部下も笑っている、上司と部下、互いに冗談を言える関係がそこにはあった。


「おい!何をしゃべっている!

無駄話をせずにゴウを此処に連れてこい!

おい!聞こえているのか!」

ローズがどれほど叫ぼうとルート達が応じる事はなかったのであった。

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