第221話 城に入ったのだが・・・
「熱烈な歓迎ですね。」
城に入っても外からの歓声が聞こえるほど町中が盛り上がっている。
「それほど、我等にとって創造神様と剣神様の存在は大きなものなのです。
ゴウ様には剣神様の御様子について色々お聞きしたいと思っております。」
「リョウさんの事か、お爺さんに鍛えられているイメージしかないけど、そのあたりの話なら出来るよ。」
「お爺さんというと武神アキラ様ですよね!
是非お聞かせ願います!!」
クーラの思わぬ食いつきに俺は驚く。
「アキラさんも武神として崇められているんですか?」
「武神様は畏敬の対象にございます。
兵にとって怠けると武神様の怒りをかい地獄に落とされ、武に生きる者は一段も二段も上に引き上げてもらえると言われております。」
「・・・アキラさんに間違い無さそうです。」
「ゴウ様も訓練をなされたのですか?」
「私はあまり行っておりません、どうも剣の才能は無かったようです。」
「あまりということは少しは行ったのですね!!」
「少しだけです、アキラさんやリョウさんと比べる程ではありませんから。」
「いやいや、その訓練の話だけでもお聞かせ願いたい!!」
武に長ける魔族にとって強くなるということは何物にも代え難い物である、武神の訓練など喉から手が出るほど興味があった。
「ゴウさん、剣も振るえるんですか?」
ミユキは武器を握る素振りもみせないゴウが訓練をしていた事を意外に思う。
「家庭の事情ってやつでね、少しだけは。
でも、全然駄目だったね。
師匠のアキラさんに掠る事も出来なかったし、リョウさんにだってすぐに追い抜かれたから。」
「お二人は強かったんですね。」
俺とミユキが話している所にクーラは目を輝かせながら・・・
「ゴウ様、一手ご教授願えませんか?」
「えっ?」
「伝承に残る、桐谷流を少しでも感じてみたいのです。」
「俺は桐谷流を名乗るほどの腕前じゃないです。
奥義の一つも教えてもらえなかったぐらいの下っ端です。」
「それでも、どうかお願いします。」
「・・・いいですけど、弱いですよ。
剣なんて随分握ってませんし。」
「かまいません、型だけでも感じてみたいんです!是非お願いします。」
「わかりました、でも弱いですからね、クーラさんも手加減をよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
何故か俺達は剣を交える事になるのだった。
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