第220話 立ちはだかる魔王

歓迎を受けた先に待っていたのは・・・

「ようこそお越しくださいました、魔王国を治める、クーラと申します。

以後お見知りおきを。」

魔王その人が城の前まで出て出迎えてくれる。

「魔王国を治めるということは・・・魔王さま!」

「魔王など方苦しい言い方はおやめください、気安くクーラとお呼びいただければ。」

「え、えーと、クーラさん、何故城の外まで出て出迎えを?」

「私としては町の外まで出迎えに行くつもりなのでしたが、民がじっくりと御二方を見たいと思いまして、城の前で我慢をしておりました。」

クーラの答えは俺の予想より上だった、どうやら創造神と剣神というのは予想以上に魔王国で敬われている存在らしい。

いったいリョウは何をしたのだろうか・・・

破天荒な本家の人間の行動には頭が痛いのだ。


「お初にお目にかかります、ジョージア王国、第一王女、アリサと申します。

本日は我々の来訪お受け頂き感謝致します。」

「ゴウ様の御友人ならいつでも来訪なさってかまいません。

それにそれ相応な仲のようにお見受けいたしますし。」

「ええ、それなりには・・・」

「ちょ、アリサさん、それだと誤解がうまれませんか?」

「大丈夫です、ゴウさんは恥ずかしがり屋ですから。」

「聞き及んでおります、創造神様も剣神様もハーレムを形成されていらっしゃるのに気持ちは一夫一妻の気持ちでおられたとか。」

「まあ、そうなんですね。」

「はい、妻を一人のように大事に扱うという事だという気持ちの現れだったと伝わっております。

ゴウ様もそのような気持ちをお持ちなのでしょう。」

「そうですね、すでに何人かは妻になるべき相手もおりますし・・・」

アリサはミユキをはじめカスミとアヤカを見る、その意図を感じた全員がコクリと頷いていた。


「なるほど、アリサ王女はゴウ様の政治的配慮を担当するのですか。」

「そうありたいと思っております。」

「なるほど、それはお手柔らかにお願いしたい物ですな。」

「こちらこそ、お手柔らかにお願いします。」

クーラとアリサは握手を交わす。


「さて、ここで長話をする訳にもいきませんね。

皆、よく聞け、今日は二柱の御親族が来訪されるという記念日である!

これより城では祝の宴を催すが、皆にも振る舞い酒を用意してある、各酒場に既に運び込んでいるので十分に今日という良き日を祝うのだ!」

クーラの言葉に住民達の歓声が上がるのだった。

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