第212話 手紙の内容は・・・

「使者殿、これは何かの冗談であろう?」

「いえ、我が国は魔王国との友好関係の構築を検討しております。

我々は魔王国との関係構築の為に派遣されました。」


「ならば、何故この街を来たのだ!!」

「クロエ王女を送る為です。

クロエ王女を庇護した御方は慈悲深い御方、敵対する可能性がある国の王女が滞在する事を哀れに思い、祖国へ帰還出来るようになされたのです。」

「ふざけるな!魔王軍を見たこと無いのか!あのような異形の姿をした者と友好関係を築くなど出来るはずが無い!」


「いえ、こちらに来る前に話し合う機会がありましたが、手応えを感じております。

その話し合いにはクロエ王女も同席されましたので詳しくはクロエ王女からお聞きしたほうがよろしいでしょう。」

ヘリオスはクロエの方を向くがクロエは深く頷く。


「クロエ、この者の言うことが本当なのか?

ジョージア王国の援軍を連れて魔王軍を討つのでは無いのか?」

「違います。

既に魔王国はジョージア王国との話し合いに前向きに検討している物と思います。

ただ、話し合いの場にて我が国との停戦も検討していただけるとの事でしたが・・・」

「停戦だと!

そうか、向こうも戦を続けれない事情があるのだな。」

「・・・いえ、魔王軍には余裕があるように見受けられましたが、私を庇護してくれた方が私を憐れみ停戦の話を出してくれました。

条件については・・・後でお話します。」

王太子の醜態は一部の者しか知らない、ヘリオスが出した箝口令もあり、多数の貴族がいる中で詳しく話す訳にはいかないと条件をそのまま口に出来なかった。


「クロエよ、条件を言うのだ。

飲めぬ条件の停戦などありえん。」

「・・・兄、ハーツの王族追放が条件にございます。」

ヘリオスのコメカミがピクリと動く。


「王太子の廃嫡を求めるというのか!!」

「お父様、違います、王族よりの追放です。」

「・・・なに、そこまで求めるとは、魔王軍め!どれほど傲慢なのだ!

使者殿も話し合いにいたのならわかるであろう!奴等は優秀な王太子ハーツが後を継ぐ事を恐れ、その命を狙い戦争を仕掛けてきたのだ。

ジョージア王国もいずれ同じような目にあうことは必定!

此処は両国が同じ人族として手を結び、魔王国を討つことが大事!今一度国に戻り検討なされるが良い!」

「・・・お父様、ジョージア王国の方々は開戦の理由も知っております。」

「なっ・・・」

ヘリオスは言葉に詰まる、一部の側近と一部の高位貴族しか知らない秘密なのである、それを何故ジョージア王国が知っているのだ・・・

ヘリオスの頭の中は混乱するのであった。

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