第204話 ルデン近く
船は順調に航路を進み、ルデンの近くまで来ており、あとは作った港から更に奥にある、ルデンまで電車に乗り換えるのだが・・・
「魔王軍がいますね。」
港周囲には魔王軍と思われる異形の姿をした者達がいた。
「大丈夫なのでしょうか?」
アリサは気丈に見せるが少し震えている様子が見受けられる。
「此処には入れないように設定してありますから大丈夫です、そのまま電車でルデンに向かえば・・・」
「ゴウ殿、そこにゴウ殿はおられるか!」
魔王軍から俺を呼ぶ声が聞こえてくる。
「ゴウは私です、あなたは?」
「私は魔王軍鬼族を束ねるアクラ!
天狗族族長イヅナから話は聞いている、我等にゴウ殿と争う気は無い、話し合う場を設けてほしい!」
「少しお待ちを・・・」
俺は返事を少し保留にしてアリサ達に振り返る。
「話し合いをすることになりそうですけど、誰か参加する人はいますか?」
「ゴ、ゴウ様は怖くないのですか?」
アリサはアクラ達の姿に怯えている様子だが
「話し合いを求めているのですから、怖がらなくても大丈夫かと、それに私のチカラで暴力を振るおうとしたら追放するようにしておきますので安全な話し合いを出来ると思います。」
「・・・ゴウ様、私も同行させてください。」
クロエは震えながらも同行を申し出る。
「クロエ様!危険にございます!」
ローズはクロエを止めようと声を出すが・・・
「ゴウ様が安全とおっしゃるならそれを信じようと思います、それに良い機会だと思います、兵を退いてもらえるように話せればそれに越した事はありません。」
アリサと違い国の危機を目の前にしているクロエに取って数少ない機会である。
「クロエ王女が向かうと言うなら私が行かない訳には参りません、ですが恐ろしいのでゴウ様の隣にいてもよろしいですか?」
「構いませんよ、それでは向こうと話し合うということで決まりですね。」
俺はアリサとクロエ両者に確認し、二人とも頷くのであった。
「アクラさん、こちらで場を作ります、話し合いを行いましょう。
正し、どんな事があっても暴力は禁止です、何処の誰が暴力を振るおうととしてもその者は私の領域から追い出される事になりますがよろしいですか?」
「構わない、私は武人である、話し合いの場にて武を振るうつもりなど無い。」
「わかりました、それではそちらの建物内で話し合いをしましょう。」
俺は港外との境目にカフェを作り両者の侵入を許可する。
「このチカラは伝承にあるおチカラに・・・」
何故かアクラは感動した様子を見せ目元を抑える様子が見受けられた。
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