第201話 目覚めの朝
「ゴウ兄、起きて。
朝だよ〜」
「もうちょっと・・・」
カスミが起こしに来てくれるのだが、昨晩のお酒が残る俺としてはもう少し寝たい気持がある。
「もう、起きないと王女様達を待たす事になるよ、起きて〜」
カスミは俺を揺らすのだが俺はベッドから出れない。
「・・・起きないと食べちゃうぞ〜」
「食べててもいいから、寝かしてくれ〜」
俺は先に朝食を食べててくれと言ったつもりなのだが・・・
「ふ〜ん、いいんだ♪
いただきま〜す。」
カスミは布団の中に下からモソモソと入ってくる。
「お兄さんのお兄さん、おはようございます♪」
バスローブで寝ていた俺の無防備な息子にカスミが手を伸ばし挨拶を・・・
「カスミちゃん!なにしてるの!」
俺は慌てて跳び起きる!
「あっ、起きたの?
もう少し寝ててもいいんですけど。」
「良くないから!何をしようとしたの!」
「だって、食べても良いって言ったよね?」
カスミはペロリと舌舐めずりをする、その姿は普段の真面目な姿からは想像出来ないほど妖艶であった。
「駄目だから!まったく何処でそんな事を覚えたんだよ。」
「女の子の知識は早いんだよ。
ほら、男の人は朝から元気になるって言うし・・・」
「それは生理現象だから!触っちゃ駄目です!」
「食べてもいいって言ったのに〜」
「言ってないから!
あーびっくりした。」
俺の心臓は朝からバクバク言っていた。
「あら、カスミさんが先に起こしに来たの?」
ミユキが少し遅れて部屋にやってくる。
「ちょっと早く目が覚めたから・・・
ねえ、ミユキさん、もしかしてミユキさんも?」
カスミはミユキの狙いに気付く、するとミユキはカスミを連れて小声で話し始める。
「他の肉食獣が現れてますから、先に絞りとっておこうと思ったんですけど・・・」
「ミユキさん、それって・・・」
ミユキはニコリと笑いかけ・・・
「カスミさん正直に起こしちゃ、だめですよ。
ゴウさん寝起きはあまり良くありませんから、静かにすればあと三十分は寝てますよ。」
「そうなんだ・・・」
その言葉にミユキは既に何回か事に及んでいる事に気付く。
「明日は一緒に?」
「いいんですか?」
「ゴウさんはみんなのものですから。
あっ、でも一線はゴウさんに越えて貰いたいと思いますので、くれぐれも行き過ぎないようにしましょうね。」
「はい。」
「二人ともなんの話?」
「乙女の秘密ですよ。」
「ゴウ兄、楽しみにしててね。」
「えっ、なんの話?」
二人の仲が良くなっているのは感じるが少しのけ者にされて寂しい朝だったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます