第199話 新たな町トーア

俺達を乗せた列車はラニアン王国に向かう為に新たに作られた港に着く。

「ゴウ様、こちらは・・・」

ルートは以前見たゴウの拠点と違う為周囲を見回すのだが、色々建物は建っているが何処かで見たような山々が見えている事に多少なりの混乱を起こしていた。


「ここはお借りしたルートさんの領地ですよ、宿泊する施設はあの建物になります。」

新たに作られた町には観光ホテルと遊園地、ショッピングモールなどが建っており、見慣れぬ景色に一行は固まっている。


「ゴウ様、こちらがルート子爵の領地というのは本当なのですか?」

「はい、私の拠点を交易の拠点にすると騒がしくなりそうだったので、ルートさんの好意に甘えて新たに交易用の港を作りました。」

俺は簡単に答えているのだが、他の人にしたらとんでもない事である。

「そうだ、ルートさんこの町の名前をつけてもらってもいいですか?」

「私が付けていいんですか?

やはりゴウ様がお付けになるべきでは?」

「ルートさんの領地ですのでルートさんにお願いしたいです。」

「わかりました・・・

それではトーアというのはどうでしょう、古代語で門という意味があるそうです。」

「良いですね、それではここはトーアと呼ぶことにしましょう。」

町の名前も決まり、俺達はひとまずホテルに向かうのだが・・・


「ゴウ様、あちらの施設はなんなのでしょうか?見たことの無い物が色々建っているように見受けられますが?」

アリサが遊園地を指差し質問してくる。


「あれは遊園地と言って、一言で言えば遊ぶ所です。」

「遊ぶ?」

「はい、せっかく町を作ったのですから多くの人に訪れてもらおうと遊び場を作ったのです。」

「遊び場ですか?」

「アリサさんも一度行ってみますか?」

「行ってみてもいいんですか?」

「はい、勿論皆さんに楽しんでもらうために作ったのです、少し立ち寄ってみましょう。」

俺達は遊園地に寄り道することにする。


「うわぁーーー!!」

入口から見える華やかな景色にアリサ達から声が上がる。

「本来ならあそこで入場料を払って中に入るのですが本日はこのまま入りましょう。」

俺は入場料を無料に設定する。


「ゴウ様!あれはなんでしょう!」

アリサ達にとって目に見える全てが華やかで不可思議な物である、興奮状態となり、きゃあきゃあはしゃいでいる。

「一つずつ乗っていきましょうか。」

アトラクションを一つずつ説明しながら実際に乗り楽しんでもらう。


「ゴウ様、ここは素晴らしい場所です!」

一通り回り、現在はお茶屋で休憩している。

未だ興奮冷めないアリサと楽しみきったのか疲れている様子のクロエの姿があった。

「楽しんでもらって何よりです。」

「絶対に多くの人が来るようになりますね!」

「王女様のお墨付きがあれば間違い無いですね。

ルートさん、領地が発展しそうですよ。」

「ゴウ様のお陰でございます。」

「そうだルートさん、税金は何割払えばいい?」

「税金などとんでもない、ゴウ様がお作りになられたのです、ゴウ様は当然非課税です。」

「いやいや、税金はちゃんと払うよ、売上の四割でいい?」

「そんなに受け取れません!せめて1割!」

「3割なら!」

「いけません!1割以上は駄目です!」

「じゃあ住民のインフラの為に2割、1割は住民の為に使うということでどうかな?」

「・・・わかりました、2割受け取る事に致します。

ですがいつでも非課税にしますのでお申し付けください。」

ルートは渋々税金を受け取る事になるのだった。

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